ボサノバの巨匠セルジオ・メンデスさん死去、83歳 世界的大ヒット「マシュ・ケ・ナダ」など

セルジオ・メンデスさん（2013年撮影）

ボサノバの名曲「マシュ・ケ・ナダ」などで知られるブラジルの歌手セルジオ・メンデスさんが6日に死去した。83歳だった。現地メディアなどが伝えた。

報道によると、メンデスさんの家族が米ロサンゼルで「安らかになくなった」と発表。ここ最近は新型コロナウイルスの長期にわたる後遺症で健康状態が良くなかったという。

セルジオさんは、子供時代からクラシックピアノを学んだが、50年代後半に10代でジャズミュージシャンとしての地位を確立するも、ボサ・ノヴァに移行していくと、64年にソロデビュー。65年には自身のグループ、ブラジル'65を結成。66年には世界的な大ヒット曲となった「マシュ・ケ・ナダ」や「恋のおもかげ」などを発表。ボサ・ノヴァブームの旗手となった。93年に最優秀ワールドミュージック・アルバム部門でグラミー賞を受賞している。

2006年にはスティーヴィー・ワンダーやブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムら別ジャンルの実力者らとのコラボアルバム「Timeless」を発売、大ヒットした。晩年もブラジル音楽の巨匠として活躍。来日公演も多数で70年の大阪万博でも演奏、06年と08年、16年にも来日公演を行っている。

「マシュ・ケ・ナダ」は、そのポップでキャッチーさで日本のCMでも多く採用され、00年代初期には日産「プリメーラ」、06年にはサッカー、ブラジル元代表ロナウドらが出演したナイキ、15年には、サッカーコロンビア代表ハメス・ロドリゲスが出演したトヨタ「シエンタ」などで使用された。