1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

映画「とりつくしま」東かほり監督、原作者の母直子さん「見るために体大事に」の言葉に涙

日刊スポーツ / 2024年9月7日 15時56分

映画「とりつくしま」公開記念舞台あいさつで涙する東かほり監督(左)と原作者の母直子さん(撮影・村上幸将)

作家東直子さん(60)の同名小説を、娘の東かほり監督(35)が映画化した「とりつくしま」公開記念舞台あいさつが7日、東京・新宿武蔵野館で行われた。娘のかほり監督は、今年、病気をした直子さんが続編を見届けるまで元気でい続けると誓った言葉を聞き、涙した。

「とりつくしま」は、2007年(平19)に筑摩書房から刊行された。人生が終わってしまった人々の前に現れる“とりつくしま係”が「この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ」と告げていく、人生の本当の最後に、モノとなって大切な人の側で過ごす時間、既に失われた人生のかけがえのない記憶がよみがえり、切なさと温かさと哀しみ、そして少しのおかしみがにじみ出る、11篇の短編で構成された。その中から、かほり監督が、その中から夫のお気に入りのマグカップになることにした妻を描いた「トリケラトプス」、大好きな青いジャングルジムになった男の子を描いた「あおいの」、孫にあげたカメラになった祖母を描いた「レンズ」、ピッチャーの息子を見守るため、野球の試合で使うロージンになった母を描いた「ロージン」の4篇を、オリジナルストーリーを加えて映画化。公開前には、原作のファンでもある小泉今日子(58)が“とりつくしま係”役で出演したことも話題を呼んだ。

かほり監督は「私が高校生くらいの時に母が書いたもの。悲しみで泣いちゃったけど、温かさもあるのが良いところ。映像化の際に、あまり悲しすぎないものを意識しました」と原作を読んだ当時と、映画化に踏み切った際のこだわりを語った。最も、映画的にアレンジしたエピソードは? と聞かれると「あおいの」を挙げた。同監督は「1番、脚色、オリジナルを入れました。映像の時、1人ぼっちになるので登場人物を増やした」と振り返った。

母直子さんは「私の小説を、娘が映画化してくれるなんて、そんな夢のようなことがあって良いのかと思い、うれしかった。私の原作をベースにして新しい味付けを加えた」と映画化を喜んだ。「ワークショップも見させていただき、俳優さんの当て書きのように溶け込ませ、生きている人間の温かさが生き生き出た、良い作品になったと思います」と、娘が俳優に演出をつける、ワークショップまで見たと振り返った。

残り7つの短編の実写化など、今後について聞かれると、かほり監督は「今回、撮れなかった、撮りたかったお話がある。ドラマなのか…続編を作りたい」と続編を熱望。母直子さんは「続きを作ってもらえたら、うれしいですね。今年、病気もしてしまいましたが、見るために体を大事にして、見届けたい」と約束。その言葉を聞いた、かほり監督の目から涙があふれた。

この日は、劇中で描かれた4編に出演した俳優陣も登場。「トリケラトプス」佐伯こはる役の橋本紡(28)と佐伯渉役の櫛島想史(35)、「あおいの」で樹を演じた楠田悠人(7)と芸人を演じた宇乃うめの(34)「レンズ」で、さゆりを演じた磯西真喜(62)と秋彦役の柴田義之(72)「ロージン」で小林環を演じた安宅陽子(38)と息子の陽一役の志村魁(17)が登壇した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください