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NHK「中国の領土」発言問題で稲葉延雄会長ら役員報酬1カ月分の50%を自主返納

日刊スポーツ / 2024年9月10日 19時16分

NHKラジオ国際放送などの中国語ニュースで中国籍の外部スタッフが、沖縄県・尖閣諸島を「中国の領土」などと原稿にはない発言をした問題について会見で説明する稲葉延雄会長(右)と井上樹彦副会長

NHKは10日、ラジオ国際放送などの中国語ニュースで中国籍の外部スタッフが、沖縄県・尖閣諸島を「中国の領土」などと原稿にはない発言をした問題に関する処分を発表し、稲葉延雄会長、井上樹彦副会長、山名啓雄専務理事、中嶋太一理事が役員報酬1カ月分の50%を自主返納、傍田賢治理事が本人の申し出から10日付けで辞任、関連するNHKグローバルメディアサービスの神田真介社長と馬場広大専務が役員報酬1カ月分の30%を自主返納、NHK国際放送局の天川恵美子局長を減給などとしたことを発表した。

同日に都内の同局で会見も行い、稲葉会長は職員の危機意識の欠如を認めて謝罪。「あらためておわび申し上げたい。会長として誠にざんきに堪えない思い。信頼回復に全力で取り組んでいく」として同席した井上樹彦副会長、山名啓雄専務理事らと共に頭を下げた。

NHKによると、外部スタッフは48歳の男性で2002年にNHKと業務委託を結んでいた。8月19日の生放送で、靖国神社で落書きが見つかったニュースを読み上げた後、尖閣諸島を「中国の領土」と発言した他、英語で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」などと述べた。当該外部スタッフは8月21日付で契約解除された。信用毀損(きそん)などの損書賠償を求める訴訟をNHK側が提起しており、刑事告訴についてもさまざまな観点から慎重に検討を進めていくという。

同局は8月26日に副会長をトップとする検討体制を設置し、原因究明のほか、再発防止策などを策定。「予期しておくべき事態にもかかわらず、事案の発生時に即座に対処できなかっただけでなく、本来の意図を取り戻すべく行うべき正確な放送の訂正の実施、視聴者・国民への適時の説明などにおいても、対応が十全ではなかった」とした。

また、当該スタッフは翻訳方針や処遇への不満を漏らすこともあり、中国当局の反応への不安や懸念を職員に伝えることもあったという。NHKはこうした事前の兆候について「察知して対処するには至っていなかったことが判明した。安全保障の観点について、NHK自身のマネジメントの危機意識も高まってしかるべきであったが、ラジオ国際放送の制作体制の中では、現場における緊張感、適切な現場マネジメントが欠けるものとなっていた。国内放送などでは実施されているルールの規定、マニュアルの整備、定期的な訓練なども行われていなかった」とつづった。

再発防止策として、8月20日から中国語ニュースを事前収録に切り替え、人工知能(AI)で生成した音声の導入を検討、チェック体制の強化なども約束した。

辞任を申し出た傍田賢治理事はNHKグローバルメディアサービスの社長などを歴任し、今年4月に理事に就任したばかりだった。稲葉会長は「9日に『責任をとって辞任したい』という申し出があった」と明かした。社内問題による現役理事の辞任は2008年に職員によるインサイダー取引疑惑が発覚して会長、副会長、報道担当理事らが辞任して以来となった。

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