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【宝塚】星組新人公演 最上級7年目御剣海が初主演 情感たっぷりあいさつでもわかせる

日刊スポーツ / 2024年9月12日 20時50分

宝塚大劇場

宝塚歌劇の星組「政界コメディ『記憶にございません!』-トップ・シークレット-」新人公演が12日、兵庫・宝塚大劇場で上演され、新人最終学年7年目の御剣海(みつるぎ・かい)が初主演を務めた。御剣は、18年入団の104期生。終演後は笑って泣いて、そして笑わせて-と情感豊かなあいさつでわかせた。

相手役も同期の綾音美蘭(あやね・みらん)が務め、初ヒロイン。三谷幸喜氏の大ヒット映画を原作にしたコメディーで、本公演は歌、芝居、ダンスともすべてに卓越した星組トップ礼真琴が主演。ヒロインは退団公演となるトップ娘役舞空瞳が演じている。

難易度の高い作品をこなした同期コンビは息もぴったり。無事に幕がおりると、満面笑みで客前に立った。宝塚では昨年9月の宙組団員急死以降、新人公演世代の過重労働が指摘され、本公演の開幕間もない宝塚大劇場での新人公演は取りやめ。8月の雪組公演で11カ月ぶりに再開していた。

まず、新人最上級生で成績最上位者、ヒロインを務めた綾音が「(上演が決まり)ありがたみや喜び、それ以上に不安でいっぱいでした」と吐露。スタッフ、仲間に感謝した。

続いて、初センターの御剣が最前列中央に立ち、深々と頭を下げ「星組といたしましては、宝塚大劇場での新人公演は2作品ぶり。このメンバーの中にも、今日初めて経験した者もございます。ありがたい機会をいただけたこと、この日を迎えるまでに、上級生の方々、スタッフの方々、先生方の支えがあってこその今。心から感謝しています」。綾音からのバトンそのままに、思いを口にした。

本公演の開幕後、新人公演の稽古が深まっていく中で、大きな壁に直面した。

「お稽古していくにあたって、何度も何度も立ちはかる…」とまで口にすると、思わず涙で声を詰まらせた。すぐに顔を前へ向け、「すいません、泣くつもりはないんですが」と笑顔で話しかけ、続けた。

「立ちはだかる高い壁に心が折れそうになり、不安になった日もありましたが、その度に『僕は怖い』と歌いながら、『僕には無理だ』と言いながら、どの瞬間も必死に生きて、もがき続ける(主人公の)啓介の姿に背を押され、自分自身を重ね、今ここに立っています」

劇中の歌、セリフを引き合いに、主人公に自身を重ねた思いを吐露した。

客席から拍手を受けると、満面笑みとなり「明日からの本公演…あ! すみません、明日は休演日です」と間髪入れずに自分でつっこみ、「明後日からの本公演を全身全霊で務めてまいります」と言い、客席をわかせた。

東京宝塚劇場での新人公演は、10月31日に行われる。

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