アリスが谷村新司さん追悼コンサート 堀内孝雄「永遠のリーダー」生前の歌声と映像をシンクロ

「アリス　コンサート2024 ALICE FOREVER～アリガトウ～」でパフォーマンスするアリス。中央左から堀内孝雄、矢沢透。後ろの映像は堀内孝雄（左）と谷村新司さん（写真・中嶌英雄）

アリスが18日、昨年10月に74歳で死去した谷村新司さんの一周忌を控え、日本武道館で追悼コンサート「アリス　コンサート2024 ALICE FOREVER～アリガトウ～」を開催した。ボーカル＆ギター堀内孝雄（74）とドラマー矢沢透（75）のパフォーマンスと、生前の谷村さんの歌声と映像をシンクロ。“3人のアリス”でステージを届けた。

冒頭MCで、堀内は「普段のアリスだったらチンペイ（谷村さん）さんがメンバー紹介するんですけど、欠席してるんで」とメンバー紹介を担当。「僕らの永遠のリーダー、谷村新司！」と叫ぶと、赤いベスト姿の谷村さんが映像で登場した。7800人の歓声と割れんばかりの拍手が響いた。

続けて、映像の谷村さんから「紹介します。ボーカル・ギター、堀内孝雄！」と名前を呼ばれた堀内は、「ありがとう！　胸がいっぱいです、本当に」と涙をぬぐった。続く「BURAI」では、3人での最後のステージとなった22年11月、デビュー50周年記念で行った東京・有明アリーナ公演から約1年10カ月ぶりに、谷村さんの歌声がライブ会場に響いた。

アリスは1972年（昭47）にデビュー。78年の初日本武道館公演では、日本人アーティストとして初めて同所での3日間公演を成功させた。以降も同所での公演を重ね、今回は約5年3カ月ぶりに“3人”で同ステージに帰ってきた。

開演前に取材に応じた堀内は「（谷村さんの）実物はもちろん、もっといいですよね」とぽつり。そのうえで「皆さんに受け止めていただいて、存分に楽しんでいただければうれしいです」。矢沢は「今日は谷村に一番いいものを見せられたら」と話した。

アンコールの「チャンピオン」では谷村さんのアオりとともに、会場のボルテージは最高潮に。堀内は「アリスを代表して心から皆さんにお礼を申し上げます！　ありがとうございました！」と瞳を潤ませ、矢沢も感極まった表情を浮かべた。

「冬の稲妻」「遠くで汽笛を聞きながら」などアンコール含め全21曲を披露。約2時間の公演の最後に、堀内と矢沢は熱いハグを交わした。背後には、手を握りあい、固く抱き合う3人の映像が流れた。

10月13日には大阪城ホールで追悼公演を行う。堀内は報道陣に向け「（今回がアリスとして）最後かどうかは自分たちでも言い切れない。ひとまずの区切りじゃないですかね」と穏やかに語った。【玉利朱音】