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【ひふみんEYE】藤井聡太王座、銀をタダで取られても面白がる独特の感覚 驚かされる会心勝利

日刊スポーツ / 2024年9月18日 22時3分

王座戦5番勝負第2局に臨んだ藤井聡太王座(右)、永瀬拓矢九段(日本将棋連盟提供)

<ひふみんEYE>

藤井王座の大局観にうならされました。

45手目の先手4五桂。「桂の高跳び、歩の餌食」の格言にもあるように、一見、無理攻めかと思われましたが、ここから攻めをつなげていきました。表芸と言うべき一直線の攻め合いは、大の得意ですから。先手7三歩成(91手目)で桂を先手で取って、それを天王山に打ち込むなど、気持ちのいい指し手が続きました。

それと驚かされたのは永瀬九段の後手7六桂(82手目)に対する、先手7七玉の受け。銀をタダで取られた上に、玉が3段目に浮くのは形として良くないし、気持ち悪いはずなのですが、平気で応じています。これを面白いとみているのが、独特の感覚なのでしょう。まったく不満のない、会心の勝利でした。

永瀬九段の敗因を挙げるとすれば、76手目の後手9五歩。「1手パス」のようなこの手は、スピード競争で後れを取っています。持ち時間各5時間のうち、81手目まで7分しか使っていなかったのですから、相当研究していたと思います。どうしてこんな甘い手を指してしまったのか、不思議です。

今の藤井王座に1度リードを許せば、差を詰めるのは厳しいです。かつて、私が対戦した大山先生(大山康晴15世名人)や升田先生(升田幸三実力制第4代名人)も、リードを許すと挽回するのは容易ではありませんでした。昨年の王座戦は3勝1敗といっても、内容的には逆のスコアでもおかしくなかったでしょう。この時に比べ、確実にバージョンアップしています。

タイトル戦で後がなくなった棋士は、負けられないプレッシャーがあります。勝ち星が先行している棋士は、のびのびと戦えます。今シリーズは、初防衛がかなり濃厚とみました。(加藤一二三・九段)

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