「身体検査は大丈夫?」10・1発足石破内閣、閣僚名浮上の早さに不安の声 早期解散の方針にも
日刊スポーツ / 2024年9月30日 20時20分
自民党の石破茂総裁(67)は9月30日、党本部で会見し、衆院選を10月27日投開票の日程で行うと正式に表明した。解散権を持つ首相に就任していない段階で、異例の早期解散の早期表明。総裁選では「国民が判断できる材料をきちんと示す」と、衆院解散前の与野党論戦の必要性を訴えていたこともあり、自民党内でも石破氏の「方針転換」を疑問視する声が出ている。
石破氏は「新政権は、できるだけ早期に国民の審判を受けることが重要。諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたい」と述べた。10月15日の公示日まで、2週間あまり。全国の選挙管理委員会で準備が必要になるとして「本日、表明させていただいた」と述べた。
首相就任前に表明した理由を問われると「総理に選出されれば、という仮定の上で申し上げている。ご指摘のように、今は内閣総理大臣ではない者がこういうことを行うのは、かなり異例なことと承知を致しており、『(選出)されれば』と申し上げた」と主張。「選挙管理委員会の準備のためという観点以外に理由はありません」と訴えた。
現状では、10月4日の所信表明と7日から始まる衆参両院の代表質問の後、期間を短縮しての予算委員会か党首討論の開催をへた上で、9日の衆院解散が想定される。石破氏は「国民のみなさまにご判断いただける材料をきちんと整える努力は、続けて参りたい」と述べたが、これまでの発言からは明らかにトーンダウンした。衆院解散は10月9日の見通しだ。
党内でも「世論調査でも、石破さんへの期待は意外に良くない。ぼろが出ないうちに選挙になだれ込んだ方が得策と判断したのだろう」「『奇襲』は石破さんらしくない」との指摘が聞かれた。早期解散の判断に傾いたのは、新たに就任した森山裕幹事長(79)ら周囲の進言を受け入れたとの見方が出ている。
これに先立つ臨時総務会では森山氏、鈴木俊一総務会長、小野寺五典政調会長(64)、小泉進次郎選対委員長(43)、菅義偉副総裁(75)など新執行部の顔ぶれがそろった。総裁選で高市早苗氏を支援し、今回副総裁を離れて最高顧問に就任した麻生太郎氏(84)は写真撮影には加わらず、党内融和にはほど遠い。
石破氏は1日に第102代首相に選出された後、同日中に石破内閣を発足させる。ただ、内閣で起用する予定の閣僚の名前が表に出るのがあまりに早く、「身体検査は大丈夫なんだろうか?」という不安の声もある。【中山知子】
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