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中身スカスカ、ヤジはマシマシ…石破茂首相、初の所信表明で厳しい洗礼

日刊スポーツ / 2024年10月5日 5時1分

自民党の石破茂総理(2024年9月30日撮影)

石破茂首相(67)は4日、衆参両院本会議で初の所信表明演説を行った。自分の言葉で語る政治家のはずが、紙に目を落とし35分間ほぼ原稿棒読み。冒頭から自民党派閥裏金事件を反省したが、「ルールを守る」発言には怒号のようなヤジが飛んだ。総花的な内容で、「近代まれに見るスカスカ」(野田佳彦・立憲民主党代表)との指摘も。首相になった途端、自民党方針にがんじがらめになり、カラーを『封印』した形の首相に「僕らが知ってる石破さんは消えた」との嘆きも聞かれた。

   ◇   ◇   ◇

所信表明デビュー戦の石破首相。慎重なのか余裕がないのか、自分の言葉を持つ政治家らしくない「原稿棒読み」に終始した。

冒頭から自民党派閥裏金事件に触れ、国民の政治不信を招いたとして「深い反省」を口にした。総裁選でも訴えた「5つの『守る』」に触れ、最初の「ルールを守る」を口にすると「ルールを守れ!」と、野党席から激しいヤジが飛んだ。首相演説でのヤジは珍しくないが、ヤジのボリュームは徐々に増していった。

批判が強い「裏金議員」について、石破首相は15日公示の衆院選(27日投開票)で、原則公認する方針といわれる。「徹底的な議論」を主張していた総裁選時の方針からは、変化した。

「議員1人1人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げる」と述べた石破首相に「公認するのか?」「うそをつくな」と、ヤジの量はさらに増えた。石破首相は一瞬、演説を止め、野党席の方を軽くにらむような表情をみせる場面もあった。

ヤジの背景には、与野党論戦後の衆院解散総選挙を描いていた首相が、総裁になった途端、党内の進言で「10月選挙」にかじを切ったり、金融所得課税強化や「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」創設などの肝いり政策もトーンダウンさせるなど、突っ込みどころ満載なため。「NATOはどこに行った」「金融所得課税はどうなった!」のヤジが飛んでも、首相は原稿を目で追い続けた。

「聞きどころ」も少なく自民党の拍手も限定的。かつて小泉純一郎首相が「聖域なき構造改革」「恐れず、ひるまず、とらわれず」と述べるなど、所信表明は首相それぞれの特色が出るものだが、石破首相は師と仰ぎ、これまでも口にしてきた渡辺美智雄氏の「政治家の仕事は勇気と真心をもって真実を語ること」をあらためて引用した程度。約9500の文字数は2012年の自民党の政権奪還後最長だったが、中身は「石破カラー」が影を潜めた。

約35分の演説では「国民」と約30回口にした。国民への呼びかけは意識していたようだが、「まるで別人」(自民党関係者)になった石破氏の言葉が国民に響いていくかどうかは、まだ分からない。【中山知子】

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