訃報の服部幸應さん、先月29日放送の冠ラジオ出演「高貴な香りだね…」最期まで食にこだわり

服部幸応氏（2017年10月撮影）

料理評論家で服部栄養専門学校校長の服部幸應（はっとり・ゆきお、本名染谷幸彦＝そめや・ゆきひこ）さんが死去したことが5日、分かった、78歳。フジテレビ系「料理の鉄人」「SMAP×SMAP」などのテレビにも多数出演し、お茶の間にも広く知られた。

服部さんは、NACK5でレギュラー冠番組「服部幸應WELL TASTE」（日曜正午）を持っており、前週9月29日の放送回にも、パーソナリティーを務める元モーニング娘。保田圭ととも出演。タイトルコールを読み上げるなど、元気な様子で番組を進行していた。

旬の食材を紹介するコーナーでは、秋の味覚ぶどうの話題で「アレキサンドリアというのが大好きなのよ。青いシャインマスカットのような感じなんだけど、香りが違うのよ。独特の。高貴な香りだね、あれは」とコメント。「なんでアレキサンドリアかというと、エジプトのクレオパトラがお風呂場で食べる。それがアレキサンドリアなのよ」と語った。また、ぶどうの生食は海外では日本ほど多くないとし、「海外ではワインの原料とか、干しぶどうにして食べる率が高いんじゃないかな」と語っていた。

他にも「主に、果糖やブドウ糖ですね。カリウムも豊富。皮や種には、抗酸化性があるアントシアニンやレスベラトロールが豊富なんですね」と、よどみなく栄養価の解説もしていた。

服部さんは1945年生まれ、東京都出身。立大卒。昭和大医学部博士課程で学位を取得した。父の服部道政氏が創設した日本初の栄養士・調理師学校「服部学園」を引き継いで「食育」文化の普及に心血を注いだ。

全国調理師養成施設協会の会長など、役職も多数歴任し。20年、旭日小綬章。自身は調理師免許は所持していないことを公表している。