紀藤弁護士「これでは謝罪にならない」無罪確定の袴田さんに検事総長「申し訳なく思っている」

紀藤正樹氏（2022年7月撮影）

弁護士の紀藤正樹氏が8日までにX（旧ツイッター）を更新。

1966年（昭41）の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん（88）の裁判をやり直す再審で、無罪とした静岡地裁判決に対し、畝本直美検事総長は8日、控訴しないと表明し、「申し訳なく思っている」と談話を発表したことに対し、「これでは謝罪にならないと思います」と断じた。

袴田さんは66年に逮捕され、長時間の取り調べで「自白」したが、初公判で否認に転じた。80年に死刑が確定。14年、静岡地裁の再審開始決定で釈放された。袴田さんの弁護団は静岡地裁判決を受け、検察側に控訴しないよう申し入れていた。

畝本検事総長は、「結果として相当な長期間、法的地位が不安定な状況に置かれた。申し訳なく思う」と談話で謝罪した。とはいえ、袴田さんの失った58年は帰ってこない。