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自民、保守王国で大激戦か 東京や神奈川は立民と互角か劣勢 角谷浩一氏が衆院選公示前情勢分析

日刊スポーツ / 2024年10月13日 5時15分

政治ジャーナリスト角谷浩一氏

自民党派閥裏金事件に厳しい視線が注がれる中、石破茂首相(67)が衆院解散に踏み切り、第50回衆院選(27日投開票)は15日、公示される。日刊スポーツは、政治ジャーナリスト角谷浩一氏(63)に公示直前の各党情勢を予想してもらった。現段階では、自公で過半数(233)を超えるものの、自民は議席減となる見通し。特に東京や神奈川など首都圏で伸び悩み、保守地盤の鹿児島では「地殻変動」の動きがみられるという。今後情勢は変わる可能性があるが、有権者はどんな判断をするのだろう。

   ◇  ◇  ◇

勢いの立憲民主党が制するか、元来の底力を見せるか自民党。政治とカネが最大の焦点となった今回の総選挙だが、大激戦区の筆頭は北海道だ。12選挙区で与党系と立憲民主党で激しい選挙戦が予想される。ことに4区、11区はどちらに転んでもおかしくない激戦区。共産党の動向も注目だ。

東北は青森が自民優勢、岩手が立憲優勢、宮城は互角、山形は自民優勢と事前の傾向はあるが、激しい戦いが予想される。茨城、栃木、群馬は自民が優勢、埼玉5区では牧原秀樹法相と立憲の枝野幸男元代表の弁護士同士の因縁の対決が繰り広げられるが、今回も枝野氏強しとなるか。

首都圏では政治とカネのほかに物価高やインボイスへの不満など政権選択の材料は多く、有権者の怒りも大きい。東京、神奈川は互角か自民劣勢の情勢だ。

東京1区は自民党旧安倍派「裏金議員」のひとり山田美樹元環境副大臣と、立憲の75歳のベテラン海江田万里前衆院副議長、参院からくら替えする日本維新の会の音喜多駿政調会長らが激突。小選挙区になっても区割りが変わらなかった1区は、10増10減で新区割りが適用される。この選挙の象徴区と言える。

東京15区は今年補選があったばかりで立憲の酒井菜摘議員が勝利したが、次点だった無所属の須藤元気元参院議員が再び挑む。どんな選挙戦になるだろうか。一方、東京24区は政治とカネ、旧統一教会関係の象徴区となった。公認なしとなった自民党の萩生田光一元政調会長と、立憲はジャーナリストとして同テーマを追及してきた有田芳生元参院議員を擁立。最大の注目選挙区となろう。

山梨、静岡、岐阜は自民が堅調、新潟、長野は立憲が強い。愛知、三重は激戦区。愛知1区では日本保守党が河村たかし前名古屋市長で、初の議席を持つか。関西では、維新の強さが発揮されるのは大阪。教育無償化を実現する会の前原誠司代表らが合流して、滋賀、京都も維新が議席をうかがうが、県知事の辞職などで、兵庫では維新圧勝とは言い難い。四国は保守王国のひとつだが、香川1区は映画にもなった平井卓也元デジタル相と立憲の小川淳也幹事長の激突で、話題の選挙区と言っていい。

先週末の立憲の情勢調査では総じていい結果が出ているが、地殻変動が起きているのが保守王国、鹿児島だ。自民で安泰なのは4区の森山裕幹事長だけ。後は大激戦が予想される。その結果で九州の比例の数が変わるため、各党が重点選挙区としている。

自民党の単独過半数は難しいものの、現段階では石破茂首相が目標に掲げる「与党で過半数」が視野に入る。ただ、短期決戦では、有権者の空気は一瞬で変わる。石破首相は、苦しい状況での初陣を乗り切れるのだろうか。

◆角谷浩一(かくたに・こういち)1961年(昭36)4月3日、神奈川県生まれ。日大卒。テレビ朝日報道局などを経て現職。永田町や霞が関に幅広い人脈を持つ。中央政策研究所主任研究員。コメンテーターなどのメディア活動以外に映画評論家の顔も持ち、年間300本を見る。

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