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【衆院選】衆院選で自公過半数割れ確実に 有権者怒る

日刊スポーツ / 2024年10月28日 1時3分

【イラスト】衆院選東京24区の結果

有権者が怒った。第50回衆院選は27日投開票され、自民党は改選前の256議席を大きく割り込み、石破茂首相が目標とした与党で過半数(233議席)を割り込むのが確実になった。

派閥裏金事件に加え、選挙戦終盤に表面化した裏金非公認候補への2000万円支給が決定打に。石破首相は続投に意欲を示したが、求心力低下は確実で執行部の責任論も避けられず、「1強」に慣れきった党内は激震だ。裏金議員の落選も相次いだ。対照的に、立憲民主党や国民民主党は、大きく議席を伸ばした。

  ◇  ◇  ◇

裏金に、非公認候補への2000万円支給。「政治とカネ」問題を一向に反省しない自民党に、有権者は明確なNOを突きつけた。自民は公示前の256議席から議席を大幅に減らし、単独過半数を割り込んだ。石破首相が目標とした「与党で過半数」も割り込むのが確実となる、深刻な結果になった。

与党の過半数割れは、自民党が政権を失った2009年衆院選以来、15年ぶりの事態だ。

「自業自得」の結末だ。5度目の挑戦で総裁となり、首相として初めて衆院選に臨んだ石破首相は、総裁選で言及した与野党論戦をすっ飛ばし、党幹部らの進言で早期解散に踏み切った。党に物言う姿勢が売りのはずが逆に取り込まれ、有権者の不信感が広がった。

公示後の情勢調査でも、与党過半数割れの可能性が指摘された。首相は、安倍晋三元首相が生前口にし、強い批判も受けた「悪夢のような民主党政権」に自ら言及し、野党を批判。「そこまで追い込まれているのか」と周囲を驚かせた。

自民党関係者が「決定打だった」と認めるのが、裏金非公認候補への活動費2000万円支給。「しんぶん赤旗」の報道を受け、首相や党側は「非公認候補に出したものではない」と火消しに走ったが、候補者側に支給されたことに変わりない。野党が指摘した「偽装公認」そのものだった。 この問題は多くのメディアが報じ、ネットを通じて国民の間に拡散された。SNSでは「(非公認の)私にも2000万下さい」がトレンドワードに。首相や党幹部の開き直ったような反論も、有権者の怒りに火をつけた。

石破首相は27日夜のNHK番組で「数字を見る限り、国民のご理解が十分に得られているとはとても思えない」と語った。テレビ朝日番組では、職責を全うするか問われ「そういうことだ」と述べたが、党内では、森山裕幹事長ら執行部の責任論が広がる可能性がある。公明党も公示前32議席から議席を減らすのが確実で、今後自公連立政権は大きな分岐点を迎える。

石破首相は、自公過半数割れの場合の対応について「(各党と)連立か閣外協力か、いろんなやり方がある」と述べたが、日本維新の会や国民民主党はいずれも連立入りを否定した。自民党は今後、まずは無所属や裏金非公認議員の追加公認などで対応する見通しだが、情勢は不透明だ。

早期解散で「勝ち逃げ」をねらった石破自民の姑息(こそく)な手法は、有権者に通じなかった。石破首相の足元は、就任1カ月もたたないのに早くも揺らぎ始めた。【中山知子】

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