森山裕幹事長責任論も拡大…衆院選惨敗の自民党「過半数割れショック」で重苦しい空気に
日刊スポーツ / 2024年10月28日 20時40分
第50回衆院選は28日、全465議席の当選者が確定した。自民党は公示前から65減の191議席。公明との与党で215議席と、過半数の233議席を下回る惨敗だ。小泉進次郎選対委員長は引責辞任し、森山裕幹事長の責任論も拡大している。石破茂首相は会見で自らの責任を問われ「現下の課題に取り組むことで職責を果たしたい」と、正面から答えなかった。立憲民主党や国民民主党は大きく議席を伸ばし、少数与党に転落した石破首相の政権運営は厳しさを増している。
◇ ◇ ◇
野党に転落した09年衆院選以来、15年ぶりの与党過半数割れ。自民党は28日、重苦しい空気に包まれた。獲得した191議席は公示前から65減。牧原秀樹法相ら閣僚2人が落選し、閣僚経験者の落選も相次ぎ、「大惨敗だ」と肩を落とす関係者もいた。
選挙対策の責任者だった小泉進次郎選対委員長は辞表を提出し、受理された。激戦区を中心に応援に回ったが勝利に導けなかった候補も多く、取材に「選挙の結果を受け止める立場。私に責任がある」と述べた。
党内では、実質的に選挙を仕切った森山幹事長の責任論も広がっている。敗北の決定打となった裏金非公認候補への2000万円支給は、森山氏の名前で文書が出された。老練な手腕には石破首相も信頼を置くが、地方組織からも執行部の対応を批判する声が出始め、「過半数割れショック」への不満が広がるばかり。森山氏は進退について「微力を尽くし責任を果たしたい」と続投の意向を示しているが、このまま党のまとめ役として責任を果たせるのか、不透明な情勢だ。
一方、石破首相は自民党総裁としての会見で「今回の厳しい結果は自民党の改革姿勢への厳しいご叱責(しっせき)。党内論理の優先が、厳しい結果につながった」と語った。2000万円支給についても「『分かった』という反応があったと思っていない」と説明不足を認め、選挙前に野党が再三求めた政策活動費の廃止や旧文通費の使途公開などの「速やかな実現」を、いまさら語るひと幕も。首相自身の責任を問う質問も続いたが「国政の停滞は許されず、現下の厳しい課題に取り組むことで職責を果たしたい」と繰り返し、正面から答えなかった。
少数与党となり、今後は野党との連携の可能性も含む綱渡りの政権運営が予想される。かつて少数与党となった羽田政権は、64日で終幕した。初陣からいきなりつまずいた石破首相のこの先は、見通せなくなってきている。【中山知子】
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