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渡辺明九段が紫綬褒章「自分はその年齢ではない。驚きました」将棋界16人目で最年少

日刊スポーツ / 2024年11月2日 5時0分

紫綬褒章受賞の会見に応じる将棋の渡辺明九段

将棋の渡辺明九段(40)が令和6年「秋の褒章」で紫綬褒章を受賞した。政府が2日付で発表した。長年にわたり学術や芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい者に授与される。

将棋界での褒章受章者は1960年(昭35)に木村義雄14世名人が初めて受賞して以来、16人目。中には升田幸三実力制第4代名人、大山康晴15世名人、加藤一二三・九段、中原誠16世名人、谷川浩司17世名人らが名を連ねている。渡辺は、18年に紫綬褒章を受賞した羽生善治九段以来16人目、歴代で史上最年少での受賞となる。

会見で「想像していないこと。自分はその年齢ではない。驚きました」と率直な印象を語った。渡辺は加藤、谷川、羽生に続く中学生棋士として00年4月にデビュー。04年の第17期竜王戦で初タイトル獲得後、通算31期(竜王11、名人3、王座1、棋王10、王将5、棋聖1)ものタイトルを獲得した。羽生の99期、大山の80期、中原の64に次ぐ第4位の記録でもある。

特に08年の第21期竜王戦7番勝負は挑戦者の羽生に3連敗の後、4連勝という史上初の大逆転劇を演じた。連続5期獲得という条件を満たして自身初の永世称号となる「永世竜王」の資格も得ている。

藤井聡太現7冠が20年6月にタイトル戦に初めて挑戦してきた時の対戦相手でもある。以来、保持していた棋聖、王将、棋王、名人をすべて藤井に奪われた。

藤井からのタイトル奪取について、「今まで結果が出ていない。自分の方が年長で(挑戦、奪取は)難しいと思うが、完全にあきらめているわけではない。もともといたポジションに戻るのをあきらめたわけではない、現実的に考えつつ、何をしていけばいいかを考えてやっていきたい」と意欲を見せた。

盤外では競馬、野球観戦(ヤクルトファン)、サッカー、カーリングなど多趣味で知られる。X(旧ツイッター)で、自身の対局や心境などについて積極的に発信する。解説会やトークショーなどでは、はっきりした物言いで人気も高い。妻で漫画家の伊奈めぐみが描く「将棋の渡辺くん」で日常生活が描かれている。棋士の素顔も見せるなど、将棋をよく知らないファンも多く引きつけている。

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