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藤井王位就位式、井山王座の祝辞に「プロになった直後からやさしく接していただいた」/一問一答

日刊スポーツ / 2024年11月12日 20時7分

就位式を終えて会見に応じた藤井聡太王位

将棋の「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦」を制した、藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=22)の就位式が12日、東京都千代田区の「イイノホール」で行われた。今期はこのタイトル戦に初挑戦した渡辺明九段(40)を4勝1敗で下して5連覇を達成するとともに、「永世王位」の称号を獲得した。この称号は過去、故大山康晴15世名人、中原誠16世名人(引退)、羽生善治九段(54)の3人が得ただけ。7月に棋聖戦5連覇を果たして獲得した「永世棋聖」に続く、2つめの称号だ。就位式終了後には、記者会見に応じた。

一問一答は以下の通り。

-歴代永世王位の獲得者に続いての称号獲得について

藤井 連続5期または通算10期という条件は、ハードルが高いかなと思います。過去に永世王位を獲得されたのは、一時代を築かれた偉大な方ばかりです。私自身も永世王位の資格を得たというのは、感慨深いことだなと思っています。ただ、先達の方と比べると私自身、実績であったり実力でも及ばないところが少なからずありますので、これからよりいっそう精進していきたいと思います。

-囲碁界から井山裕太王座が祝福を述べられました。井山王座について、どうお感じになっていらっしゃいますか?

藤井 祝辞をいただけたのをすごくうれしく思っています。プロになった直後から、囲碁界の第一人者という立場の違いはあったんですけど、やさしく接していただき、うれしかったことを記憶しています。囲碁の世界と将棋の世界は通じるところも多いと思うのですが、囲碁は世界戦もあるので、国内の棋戦と並行して戦うのは大変だと想像するんですけど、そういったなかで常に結果を出されているというのはすばらしいことだと思います。こういった姿勢を見習っていきたいと思います。

-井山王座は囲碁の7大タイトル全制覇を2回達成されています。藤井王位の8冠再度全制覇は?

藤井 井山王座の記録は偉大です。私自身が現時点でそれを目指すのはハードルが高いと思っています。目指すには実力を高めていく必要があるかなと思っています。

-井山王座から刺激を受けたことは

藤井 私は、囲碁は初心者。井山王座との対談の機会をいただいたり、囲碁の対局中継を見ることもあり、刺激があったり、将棋に通じるところがあるのかと思っています。囲碁は、世界戦もあるのでスケジュールやコンディションの管理が大変。うまく立ち回っていくための気持ちのつけ方とか参考に感じた記憶があります。

-歴代の永世王位の強さや特徴をどう見られていますか

藤井 大山15世名人は、奨励会(プロ棋士養成機関)時代に棋譜を並べて研究をしました。まずは手厚さ。詰み重視の一面もあるが、現代的な感覚を当時から持たれていて、読みも技術も卓越していたと感じています。中原16世名人は、駒の流れがきれいです。王道の将棋という印象を受けます。途中からより積極的で攻撃的な将棋に転換された。どんな将棋でも指しこなす懐の深さを感じています。羽生九段は、私が将棋を始めたころからずっと第一線で活躍されており、対局を見て勉強してきました。発想の柔軟さ、第一感にはならない手を拾って可能性を見いだす力は、羽生九段ならではの卓越した技術なのかなと思っています。

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