笠井信輔アナ、斎藤元彦氏の兵庫県知事選再選は「SNSの勝利、言いたくはないですがマスコミの敗北」
日刊スポーツ / 2024年11月18日 10時45分
フリーアナウンサーの笠井信輔氏(61)が18日、インスタグラムを更新。17日投開票の兵庫知事選で、無所属の前職斎藤元彦氏(47)が、元尼崎市長稲村和美氏ら無所属6新人を破り再選を果たした件に、私見を展開した。
笠井氏は「【長いです】」と予告して、長文をアップ。「今回は、斎藤氏の勝利というよりはマスコミ対SNSの闘いでのSNSの勝利、あまり言いたくはないですが『マスコミの敗北』とまとめることができるのかもしれません」とし、見解をつづり始めた。
笠井氏は「この選挙戦を見ていて、思ったのは、まるで、アメリカの大統領選挙のようだなと」と、トランプ氏が再選された米大統領選と相似していると指摘。「トランプ大統領と斎藤前知事が似ていると言うわけではない お騒がせであり、政治も行政も混乱し、外から見ているとどう考えても、『この人はダメだ』と烙印をマスコミから押されている候補者が、マスコミの予想を裏切って当選すると言うこの状況が似ている」と評した。
その上で「投票を行った有権者と、それ以外の外から見ている人たちとの評価が全く合っていない しかも、出口調査の結果を見て驚きました 斎藤氏に投票した理由の27%が『ひとがら』と答えたのです」と驚いた。
斎藤氏が、パワハラなどの疑惑告発文書問題を巡り、兵庫県議会で全会一致の不信任決議を受け自動失職した事実を踏まえ「『パワハラで人柄が最低』と評価されていると考えていた私は混乱しました 一体、そこには何があったのだろう?」と続けた。
笠井氏は「当選後の報道見ると、NHKはじめどのマスコミも、斎藤氏は選挙戦において、SNSを大変うまく活用したと言う評価がされています ところが、どんなSNSだったのか? 肝心のその中身が具体的に紹介されていない」と、SNSを駆使した選挙戦と報道各社が報じていても、具体性がないと指摘。
さらに「1つ気になったのは、この選挙戦に、都知事選のポスター騒動で大問題になったトランプ大統領以上にお騒がせな(笑)、NHKから国民を守る党の立花孝志党首が立候補していた点です」と、斎藤氏の疑惑を否定する立場で無所属で立候補した、NHKから国民を守る党の立花孝志党首(57)の存在に着目。
「彼の活動を見ると、今回の本当の目的は『私に投票しなくていいから、真実を知ってください』と、兵庫県知事のパワハラ騒動の“真実はこれだ”と情報を拡散することのようでした その情報とは、マスコミが書かない、放送しない斎藤氏にとって有利な情報とされるもの つまり、『斎藤氏の支援』! これまた、普通の人が考えつかない闘い方です しかし、N党、立花氏の支援で勝利するものなのか?」と続けた。
笠井氏は、インターネットに詳しい友人から聞いた分析として
(1)知事選挙前くらいから、テレビ新聞報道とは逆の「おねだり、パワハラの証拠がない!」「斎藤知事側の疑惑はデマなのでは?」の情報がネットで出回った。
(2)N党の立花氏の“裏情報”拡散、百条委員会の音声データが出回り、普段はネットをあまり見ない人達がネットを信用しだした
(3)亡くなられた局長に関する不利な情報が拡散されネットが大騒ぎになったが、テレビ新聞は完全にスルーした
と紹介。「こうしたネット情報とマスコミ情報のギャップにネット住民よりも、普段は受け身でネットを見てるような有権者が、テレビ新聞で信じ込んできた情報と、ネットの新情報、どちらが真実なのか? 判らないから街頭演説を聴きに行こうか!となった それが中盤からの、斎藤氏の街頭演説の賑わいにつながっていたのかもしれません」とした。
その結果「『マスコミの報道は一方的、まるでいじめ』『実際に話を聞くと、言われているような人ではないと感じた』つまり、『最低と思っていたが、斎藤さん、人柄いいのでは』と有権者の斎藤氏への印象が変わったという見方は、意外と間違っていないのかもしれません」と指摘した。
そこに「ほとんどなかった兵庫県の貯金が、斎藤知事時代わずか2年で100億円を超える状況になったこと、県立大学の入学金、授業料を無償化したこと、プレミアム付き商品券などの物価対策などを評価する人たちも巻き込んで、選挙戦のムードはどんどん高まっていきました」と、斎藤氏の実績も加味されたとした。
「斎藤知事を支持した人たちは、浮動票のネット住民というより『真実を知って判断したい』という一般の有権者にひろがったようです それは『マスコミの情報は正しくないのでは?』『すべてを伝えていないのでは?』という、マスコミ不信感の裏返しと言えるかもしれません」との見解も示した。
笠井氏は「ただ、斎藤知事の船出は、少数与党の石破総理よりも厳しい 議会がはじまると、そこにいるのは、すべて自分に不信任をつきつけた86人の県会議員たちなのです 四面楚歌、全員敵、果たしてこれから兵庫県はどうなってゆくのか? 寝返る県会議員もいるでしょうさらに、“初登庁”の際に兵庫県庁職員は集まるのか? 拍手で迎えられるのか?」と、斎藤氏の県政運営が前途多難との見方を示した。
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