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さよなら、関西将棋会館 43年の歴史に幕 谷川浩司17世名人「対局をして、研究もして」

日刊スポーツ / 2024年11月28日 13時28分

大阪市福島区の関西将棋会館の最終対局で、最も格の高い「御上段の間」の床間を背にして盤に向かった谷川浩司17世名人(日本将棋連盟提供)

さよなら、関西将棋会館-。高槻市に建設した新会館に移転する大阪市福島区の関西将棋会館で28日、最終対局が行われた。

同会館で数々の名局を重ねた谷川浩司17世名人(62)は朝日杯2次予選1回戦で服部慎一郎六段(25)と対戦した。対局室は関西将棋会館で最も格の高い「御上段の間」。谷川は床間を背にして盤に向かった。

公式戦通算1400勝まであと2勝とする谷川は、服部戦に勝てば、午後からの同2回戦に進み、現会館の最後に日、大記録達成への期待が高まった。

戦型は相掛かり。難解な中盤から終盤戦へ。本年度の勝率1位の若手精鋭を相手に谷川は最後まで粘りを見せたが、午前11時26分、81手で谷川は投了した。

「最後の対局」を終えた谷川は「実は半月ほど前の(移転する)東京将棋会館の最終日の対局が伊藤叡王戦だった。きょうが服部六段。2人とも藤井7冠を追う優秀な若手。その2人と最後で対局できたのは、幸せな、いい巡り合わせだった」と振り返った。

タイトル獲得27期のレジェンドは「競り合いの将棋にできなかったのは悔いが残る」と勝負へのこだわりもみせた。

現会館では1100局以上、対局し「勝ち星は700ちょっと。勝ち星の半分以上をここであげている」といい、現会館への思いについて「対局をして、研究もして、ちょっとこれから福島に来ることがあるのかなと、きょうも電車の中で考えたりしていた」としみじみと語った。

現会館は1981年(昭56)7月に完成。数々の名局が生まれた。28日は朝日杯のほかに順位戦なども行われており、この日の対局をもって、43年の歴史に幕を下ろす。【松浦隆司】

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