【ひふみんEYE】藤井聡太竜王2回にわたり「焦点の歩」打ち込み 互角展開から流れ引き寄せた
日刊スポーツ / 2024年11月28日 18時48分
<ひふみんEYE>
藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=22)が佐々木勇気八段(30)の挑戦を受ける、将棋の第37期竜王戦7番勝負第5局が27、28の両日、和歌山市「和歌山城ホール」で行われ、先手の藤井が佐々木を下し、シリーズ対戦成績を3勝2敗とし、竜王4連覇にあと1勝とした。初タイトル奪取を目指す佐々木はかど番に追い込まれた。第6局は12月11、12日に鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われる。
本紙「ひふみんアイ」でおなじみ、加藤一二三・九段(84)が対局を振り返ります。
◇ ◇ ◇
やっぱり、「将棋は歩から」です。藤井竜王がそんな格言通り、歩得を生かしたお手本のような攻め手を披露してくれました。快調にポイントを重ねて完勝しました。
1日目は互角とみていました。お互いの主張が通って、おかしな手は見当たりませんでしたから。
局面が動いたのは、作った馬が働くかという佐々木八段に対し、藤井竜王が3筋に2回にわたって打ち込んだ「焦点の歩」。1回目が先制点だとすれば、1筋に角を打った後に再度打った歩で、流れを引き寄せました。この歩が「と金」になり、佐々木陣の金まで取れば勝勢です。まさに「まむしのと金」。後手玉にニラミを利かせていました。
一方、代案は難しいのですが、佐々木八段の8筋集中攻撃は重かった。「終盤は駒の損得よりもスピード」です。駒が交通渋滞して、「牛歩戦術」のようでした。構想が瓦解(がかい)して、苦心しながら指しているのがよく分かりました。
今シリーズは、ここまで先手がすべて白星を挙げています。次は佐々木八段の番。今回の雁木で、作戦が尽きたとは思えません。踏ん張りに期待しましょう。(加藤一二三・九段)
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