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42年の時を経て同じレコード会社に…兄・鳥羽一郎&弟・山川豊、待望の兄弟デュオ実現

日刊スポーツ / 2024年12月2日 7時49分

初の兄弟デュエット曲「俺たちの子守唄」を発表する鳥羽一郎(中央)と山川豊(右)。左は作詞作曲をてがけた鳥羽の長男・木村竜蔵(撮影・丹羽敏通)

<情報最前線:音楽>

鳥羽一郎(72)と山川豊(66)の兄弟歌手が4日に、初めてのデュエット曲「俺たちの子守唄」を発表する。ふるさとの風景や、両親への思いなどを熱く歌い上げる。鳥羽の長男でシンガー・ソングライター木村竜蔵(36)が作詞作曲した。山川が昨年、鳥羽と同じレコード会社の日本クラウンに移籍したことで、待望の兄弟デュオが実現。ファミリーの絶妙に息の合った作品だ。【笹森文彦】

★兄弟ならではの掛け合い

「俺たちの子守唄」(作詞作曲=木村竜蔵、編曲=遠山敦)は、大都会で生きる兄弟が、ふるさとと両親への思いを歌い上げる。鳥羽と山川のふるさとは三重県鳥羽市。リアス海岸が美しい港町だ。「はためいた大漁旗」「岩を打つ波しぶき」「海女小屋の笑い声」「8月のせみ時雨」「潮風に戯れるカモメ」…。歌詞にちりばめられた数々の“音”が子守唄だ。

「聞こえるか?」「聞こえるさ」と、交互に畳みかけるように歌うサビは、兄弟ならではの絶妙な掛け合いである。

山川 いい歌です。今風のところもあるし、昭和のにおいもする。古典的な(演歌の)テーマだけど、メロディー、アレンジでこんなに違うのかと思う歌です。歌い方、掛け合いと、僕らも挑戦でしたね。

作詞作曲した木村にとって、鳥羽は父、山川は叔父。当然、子どものころから接してきた。

木村 雰囲気が全然違う2人なので、どちらかに(歌詞を)寄せるのは違う。同じ業界でも別々の経験をしてきた。共通するのはやはりふるさとの風景。都会的な(山川)豊さんの声と、演歌的な父の声とで、耳で聴いて絵が浮かぶ作品にしたかった。

★歌詞の基は鳥羽の実体験

1番の歌詞は、都会で黙々と生きる人々の描写から始まる。山川のパートだ。ここだけ聴けば演歌とは思えない。続く高層ビルで飲みながらふるさとを思うパートは鳥羽。都会から田舎へ、巧みに転換する。実はデビュー直後の鳥羽の実体験を基に書かれた。

鳥羽 むしゃくしゃすると、新宿の高層ビルで飲んだ。窓から見えるずっと向こうの、飛行機やビルの赤色灯を見て、あれがふるさとの明かりだと思い込んで飲んだ。鳥羽の明かりが見えるわけないんだよ。でも、気持ちが薄れて行った。この話を(竜蔵が聞いて)覚えていたのでしょう。

木村 歌詞には結構実際のストーリーが入っています。でも2人の自己満足にならないよう、客観的に聴いても整合性が取れているバランス、普遍性はすごく意識しました。

2人の初めてのデュエット曲だ。ステージなどで一緒に歌ったことは何度もある。05年の第56回NHK紅白歌合戦では、鳥羽の「海の匂いのお母さん」を2人でデュエットしているが、CD化は今回が初めて。山川が81年、鳥羽が82年デビューなので、実に42年の時を経て実現した。

山川 昨年、兄と同じレコード会社に入って、ひょっとしたら(デュエットの)願いがかなうのではと思っていました。それがトントントンと。レコーディングの時は「これでいいのか」「もう1回やった方がいい」とか、結構2人とも気合入れてやりましたね。

★家族に対するリスペクト

実は鳥羽も山川も、最新作で家族をリスペクトする歌を歌っている。

鳥羽は5月に、武田鉄矢の作詞で実母をイメージさせる「鳥羽の海女」を発表。山川は10月に、長い間温めていた「兄貴」を発表した。鳥羽との関係を思わせる作品だ。さらに22年末に、鳥羽の次男の木村徹二(33)が、鳥羽を師匠に見立てた「二代目」でデビューした。同曲は長男の木村竜蔵の作詞作曲だった。

「俺たちの子守唄」は、一連のファミリー作品のデュエット盤である。

鳥羽 1つの巡り合わせみたいなものだね。こうしたから、こうしようというのじゃなくて、本当に自然の流れで(家族作品が)続いた。でも引き出しが増えることはうれしいね。

山川は今年初め、ステージ4の肺がんと診断されたことを公表。頭と脊髄にも転移していた。投薬治療で、現在は仕事も通常にこなしている。

山川 みなさん、がんというと髪が抜けて、やつれたイメージがあるみたいで、「ふくよかだね」って言われます。確かにがんと言われた時は、ああ、もうダメだと思いましたが、いざ病院に行って、医療の進歩を痛感しましたね。

鳥羽 「兄貴、葬式は…」みたいなことを言うから、バカヤロー! って怒鳴った。告知直後は、確かに掛ける言葉はなかった。でも皆さんの応援と、いい薬があって、復帰して歌えるようになったんだから、歌い続けないとな。

★2人が歌い続けられる歌

「俺たちの子守唄」は、定期的に切り替わる新曲と違い、2人でいつまでも歌い続けられる歌である。2番の歌詞に、受話器越しに「盆も正月も無理に帰って来んでええ」という父の言葉が出てくる。

2人の父・木村傳蔵さんは来年1月1日で、100歳になる。

鳥羽 4、5年前に骨折したけど元気です。来年早々、みんなで帰ってお祝いします。2人の歌を聴いてもらわないとな。

家族のきずなで迎える新年である。

◆鳥羽一郎(とば・いちろう)本名・木村嘉平(よしひら)。1952年(昭27)4月25日、三重県鳥羽市生まれ。マグロ船などの元漁師。作曲家・船村徹さんの弟子で、82年10月「兄弟船」でデビュー。NHK紅白歌合戦は13年連続20回出場。保護司の資格を持つ。

◆山川豊(やまかわ・ゆたか)本名・木村春次。1958年(昭33)10月15日、三重県鳥羽市生まれ。81年2月「函館本線」でデビュー。「アメリカ橋」(作詞・山口洋子)は第31回日本作詩大賞曲。紅白は5年連続11回出場。ボクシングのC級ライセンスを持つ。

◆木村竜蔵(きむら・りゅうぞう)本名同じ。1988年(昭63)11月29日、神奈川県生まれ。シンガー・ソングライターで、12年にミニアルバム「6本の弦の隙間から」でメジャーデビュー。作家として父の鳥羽、美川憲一、水森かおりらに作品を提供している。

■兄弟キャンペーン 2人一緒も初

「俺たちの子守唄」のキャンペーンを行う。鳥羽と山川が2人で一緒に回るのは初めて。CD発売当日の4日は2カ所で、午後1時からさいたま市のイオンモール与野1階ローズコート。午後4時から東京・赤羽のミュージックショップ美声堂。16日は午後3時から埼玉・鴻巣市のエルミこうのすショッピングモール1階セントラルコートで実施する。山川は「ぜひ(お客さんの)反応を見たいですね」。

■鳥羽の長男・次男もデュオ「竜徹日記」

兄弟デュオでは「白いブランコ」で知られるビリーバンバン、「あずさ2号」の狩人、「女のみち」のぴんから兄弟(最初はトリオ)らが大活躍した。鳥羽の長男の竜蔵と次男の木村徹二も竜徹日記として活動した。姉妹デュオでは元祖こまどり姉妹を筆頭に、「恋のフーガ」のザ・ピーナッツ、「好きよキャプテン」のザ・リリーズ、「恋のインディアン人形」のリンリン・ランラン、ハーモニーが美しい山田姉妹などが活躍している。この他、夫婦デュオも数多い。

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