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【竜王戦】藤井竜王に敗れた佐々木勇気八段 端角に「悔やまれる」「時間配分も含めて実力」

日刊スポーツ / 2024年12月12日 16時35分

竜王戦7番勝負第6局2日目に臨む佐々木勇気八段(日本将棋連盟提供)

藤井聡太竜王(名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=22)に佐々木勇気八段(30)の挑戦を受ける、将棋の第37期竜王戦7番勝負第6局が12日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われた。11日午前9時からの2日制で始まった対局は、12日後手の藤井が勝ち、対戦成績4勝2敗で防衛と4連覇を果たした。

ここまで善戦健闘していた佐々木は初日の封じ手(73手目)前の71手目、9筋に打った角がたたった。頭を抱えたり、そっぽを向いたり、あからさまに失着したと思わせたが、もう遅い。「悔やまれるのはここ。封じるべきでした。先手7四馬のつもりが、うまい攻め筋が見えなかった。端角の攻め筋に期待しましたが、2日目は単調な攻めになってしまった。藤井竜王にうまく指されて余されてしまいました」と、悔しさをかみしめた。

もう負けられない第6局、相掛かりに望みを託した。研究手順でうまく誘導した。終盤の入り口で間違えた。手順を思い出せず、「速度計算を誤っていました」と反省していた。

「時間を使ってよく考えなさい」。師匠の石田和雄九段からは常にこう言われていた。佐々木は「時間の配分も含めてそれも実力。研究が外れてからの中、終盤力を鍛えていきたいと思います」と話した。

ダブルおやつ、トリプルおやつなど、ほかの棋士にはない盤外オーダーでも注目を集めた。今局の直前には指宿の「砂蒸し風呂」が大好きということを評価され、「指宿観光大使」にも任命されたばかり。挑戦権を獲得した時にも「第6局が楽しみ」と話し、ここまでこぎつけた。タイに持ち込んで最終第7局に望みをつなげようと、6局目もこれまでと違う戦型で挑み、藤井を苦しめた。

「前例のない形を意識した。準備や研究が大変だったが、やりがいがあった。私の中でやりきって、悔いはない」。最後はすがすがしい表情を見せていた。

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