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【ひふみんEYE】藤井聡太竜王の構想力が上、攻め促し盤石体勢から飛車のにらみ生かし完全勝利

日刊スポーツ / 2024年12月12日 20時40分

竜王戦7番勝負第6局2日目に臨む)藤井聡太竜王(日本将棋連盟提供)

<ひふみんEYE>

藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=22)が竜王4連覇を達成した。佐々木勇気八段(30)の挑戦を受ける、将棋の第37期竜王戦7番勝負第6局が11、12の両日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われ、後手の藤井が106手で佐々木を下し、シリーズ対戦成績を4勝2敗として7冠を堅持した。

  ◇  ◇  ◇

一見苦しそうにでしたが、攻防ともに藤井竜王の完全勝利でした。中盤、1筋の敵陣に打ち据えた飛車が最後まで物を言いました。改めて威力を感じました。

佐々木八段は9筋に角を打った以上、攻めをつなげなければなりません。形が決まっていますから。封じ手で8筋に香を打ったり、6筋に馬を回したりと、攻めるのが難しい状況で、懸命に手をつなげました。

攻撃手段が続かなくなる「指し切り」を見越して、藤井竜王は攻めを催促しています。うまくペースを落とし、自分はものすごく慎重に受けています。当たり前とはいえ、終盤3筋の自陣に「専守防衛」の銀を打って、盤石にしました。攻めのターンが回ってきたら、1筋の飛車のにらみを生かして寄せきりました。

今局を見る限り、藤井竜王の構想力が一枚上だったと思います。竜王戦4連覇で今年のタイトル戦は終わり、来年早々から同じ2日制7番勝負の王将戦になります。自信が強まったんじゃないでしょうか。

敗れた佐々木八段は善戦しました。藤井7冠との7番勝負で2勝したのは、これまで羽生九段と広瀬九段しかいませんから。決して悲観する内容ではありません。再び大きな舞台に出てくることを期待しましょう。

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