元大関・小錦八十吉、妻からの腎臓移植手術を公表「“そばにいる”んじゃない、“中にいる”」
日刊スポーツ / 2024年12月23日 12時56分
大相撲元大関でタレント小錦八十吉(60)が23日、神奈川・湘南鎌倉総合病院で会見を開き、12月4日に妻の千絵さん(48)から提供を受け、6時間に及ぶ腎臓移植手術を受けたと公表した。この日、退院した。
小錦は8年ほど前から腎臓に疾患があり、今年8月に移植が可能かどうか1週間かけて検査。小錦は11月20日から入院していた。
サンタクロースの衣装で現れた小錦は「皆さんメリークリスマス。今回、こんな素晴らしいクリスマスを迎えられる。おかげさまで無事に手術を終えられた。ぜひ、みなさんに嫁の腎臓をもらって、コニちゃんが99・9歳まで生きることができるの知ってもらいたい」と笑顔を見せた。
現在の体重は154キロ前後。「手術の後なので、薬によって変化する。この後、自然と減っていくと思う」と話した。
ハワイの後輩、元横綱武蔵丸の武蔵川親方(53)が、既に夫人からの腎臓移植手術に成功していることが励みになったという。
同席した執刀医の田邊一成医師、大久保恵太医師を紹介され「同じ先生にお願いして、2、3年、この病院に通っていました」。大久保医師は「身体が大きくて、心臓の機能が良くないので慎重に手術を行って、今日退院となりました」と報告した。
小錦は「8年前から腎臓が弱い。僕の先輩、後輩、家族も腎臓透析したり、亡くなったりした。僕の兄貴も5年くらいドナーを待っている。今年6月に大相撲ショーのシカゴ公演をしたんですが、その前のテネシー公演から具合悪かった。『飛行機に乗ったら死ぬよ』って言われて、心臓が15%くらいしか機能してなくて、シカゴの病院に10日間入院しました」。
千絵夫人から腎臓の提供を受けることには、葛藤があったという。
「嫁の腎臓をもらうことを、なかなか受け入れられなかった。倒れたことがなかったから。でもいろいろな話を聞いた。腎臓透析だけは受ける気がなかった。今の僕の仕事はほとんど海外での相撲ショー。透析を受けたら仕事ができなくなる。ずっと嫁から移植手術をやれと言われてた。“そばにいる”んじゃない、“中にいる”から、嫁に感謝です」と笑顔を見せた。
千絵夫人は「最初は不安が大きかったんですが、武蔵川親方がこちらの田邊先生に7年前に手術してもらったのが大きかった。ずっと相談して、話を聞いてもらいました。それがなかったら、やってなかったかも」。大久保医師は「肥満からくる肥満性腎症。この後、免疫治療を続けなければならないけど、健康的な生活を送れる」と話した。
小錦は「家族も、先輩の水戸泉も透析していて、つらいなと思った。いろいろな事考えると、日本の技術がすごく高くて。アメリカの人は『えっ、奥さんの腎臓もらうの』と驚いていた。今回はアンバサダーになったつもりで、生活が変わることを伝える。日本で腎臓移植の手術ができるのは5カ所くらいしかない。僕の今の仕事は外国。健康がなければ仕事もできないけど、仕事なければ健康もない」。
田邊医師は「本当に元気になられた。大きな身体で特別に注意する必要があるんですけど。移植の大きな利点を知ってもらえて、移植がふえればいいと思います」と話していた。
◆小錦八十吉 1963年12月31日、米ハワイ州オアフ島生まれ。スカウトされて高砂部屋で82年名古屋場所初土俵。87年夏場所後、大関昇進。89年(平元)九州場所で涙の初優勝。両膝痛などで、93年九州場所で大関から陥落。94年2月に日本国籍取得。幕内優勝3回、通算733勝で97年引退。翌年9月に退職しタレント転身して、KONISHIKIの芸名で活躍。184センチ、体重は歴代最高284キロを記録。家族は妻で歌手の千絵。
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