星野源「地獄でなぜ悪い」紅白選曲はNHKオファー 詞は自身体験がもとで園子温監督映画ではない
日刊スポーツ / 2024年12月26日 9時46分
シンガー・ソングライター星野源(43)が26日、公式サイト、インスタグラム、X(旧ツイッター)を更新。大みそかに放送されるNHK紅白歌合戦の曲目を「地獄でなぜ悪い」から「ばらばら」に変更すると発表し、その理由を明らかにした。
「地獄でなぜ悪い」は、13年の園子温監督(63)の同名映画の主題歌で、星野自身も出演している。同監督が一部で性加害が報じられていたことで、二次加害の可能性もあると批判が出ていたが、星野は、同曲が自身が12年にくも膜下出血で倒れた経験を元に制作したものであり、映画のストーリーを元にしたものではないと強調した上で、タイトルからヒントを得たこと、性加害の二次加害の可能性を完全に否定できないことも認めた。また、あくまで選曲はNHKサイドの強いオファーからだったことも強調した。
園監督をめぐっては、22年4月に一部芸能メディアが、複数の出演女優に性行為を迫ったり、性行為に応じれば仕事を与えるなどと説明し、行為に及んだなどと報じ、同監督が損害の賠償と謝罪広告とインターネット上の記事の削除を求める訴訟を提起するなどしていた。そうした経緯から「地獄でなぜ悪い」をギター弾き語りの特別バージョンで披露する予定だった星野へ批判が出ていた。
星野の公式サイトは「先日発表された『第75回NHK紅白歌合戦』の、星野源の歌唱楽曲についてご報告させていただきます。楽曲『地獄でなぜ悪い』は星野源の曲です」と説明。「星野は2012年にくも膜下出血で倒れ、その闘病期に病院でこの楽曲の作詞をしました。詞の内容は、星野の個人的な経験・想いをもとに執筆されたものです。後述する映画のストーリーを音楽として表現したものではありません。星野源の中から生まれた、星野源の歌です」と、書き下ろしたものの、それは自身の体験、思いが元になっており、映画のストーリーを元にしたものではないことを強調した。
一方で「すでにSNS等で指摘されているように、のちに性加害疑惑を報道された人物が監督した映画の主題歌であること、映画タイトルにある『地獄』というワードにヒントを得たこと、映画タイトルと同名の楽曲であることもまた事実です」と、園監督の「地獄でなぜ悪い」のタイトルからヒントを得たことも認めた。その上で「この曲を紅白歌合戦の舞台で歌唱することが、二次加害にあたる可能性があるという一部の指摘について、私たちはその可能性を完全に否定することはできません」と、性被害の二次加害の懸念があることも認めた。
そして「今回の歌唱楽曲は『アーティストの闘病経験を経て生まれた楽曲で、いま苦しい時代を生きる方々を勇気づけてほしい』という、紅白制作チームからの熱意あるオファーを受けて選定された経緯があります」と、あくまでNHK側のオファーから選曲したものであると強調。その上で「しかし、そのオファーの意図から離れ、真逆の影響を与えうるのであれば、それはオファーを受けた私たちの想いに反してしまいます。そのため、今回同曲を歌唱することを取りやめることにいたしました。私たちは、あらゆる性加害行為を容認しません」とした。
ただ「この曲が多くのファンの皆様に愛していただいている楽曲であることを、私たちはよく理解しています。また、星野自身もとても大切にしている楽曲であることはこれからも変わりません」と「地獄でなぜ悪い」が大切な曲であることも、改めて強調。その上で「紅白制作チームと協議の結果、今回は曲目を変更し、『ばらばら』を弾き語りします。ご期待いただけますと幸いです。星野源&スタッフ一同」とした。
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