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【映画大賞】安田淳一監督、初の監督賞「侍タイムスリッパー」で1人11役以上「感慨深いわ」

日刊スポーツ / 2024年12月27日 20時8分

映画「侍タイムスリッパー」で作品賞と監督賞を受賞した安田淳一監督(撮影・滝沢徹郎)

<第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原音楽出版社協賛)>

「侍タイムスリッパー」の安田淳一監督(57)が、初の監督賞を受賞した。27日に日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルでプレミア配信された「受賞者・作品発表特別番組」内で発表された。「侍タイムスリッパー」は、初の主演男優賞を受賞した山口馬木也(51)に続き、2冠を獲得した。

安田監督は、京都で米作り農家を営みながら映画製作を続け脚本、原作、撮影、照明、編集、VFX(視覚効果)整音、タイトルデザイン、タイトルCG製作、現代衣装、車両、製作など1人11役以上を務めた。「いやぁ…うれしいなぁ。大変、驚いて喜んでいます。自主映画で頑張ってきたわけですけども、そういった枠を超えて、非常に大規模で厳正な審査を経た上で、この賞をいただけたのは光栄ですし、今後も頑張っていこうという思いにつながっています」と受賞を喜んだ。

自身が手がけたオリジナルの脚本を着想したポイントの1つに、役所広司(68)が現代にタイムスリップした侍を演じた、17年の宝くじのCMがあった。山口が、「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)と「八犬伝」(曽利文彦監督)でノミネートされた役所との投票を制して主演男優賞を受賞したと聞くと「うわぁ…さぶいぼ(鳥肌)たつわ!」と大興奮。「ある意味、タイムスリップ侍という同じカテゴリの中で打ち勝った…感慨深いわ」と感激した。

◆安田淳一(やすだ・じゅんいち)1967年(昭42)京都府城陽市生まれ。大阪経済大在学中から映像制作を始め、卒業に8年かかる。卒業後、幼稚園の発表会からブライダル撮影、企業用ビデオ等の撮影業を開始。イベントの演出や油そば店の開業など、さまざまな事業をこなす中、14年に自主製作映画「拳銃と目玉焼」を公開。23年に父が亡くなったことを受け実家の米作り農家を継ぐ。24年に新藤兼人賞銀賞を受賞。

◆侍タイムスリッパー 会津藩士・高坂新左衛門(山口)は幕末、長州藩士と刃を交えた瞬間、落雷で気を失う。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。江戸幕府の滅亡を知り、気を落とすが、剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として撮影所の門をたたく。

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