【映画大賞】「30代になった時に続けていられる人でありたい」山田杏奈が語った真意/ロング版
日刊スポーツ / 2025年1月1日 5時0分
山田杏奈(23)にとって、今回の助演女優賞は、新人賞ではない、大人の俳優に与えられる初めての賞だった。今回の受賞を機に「…私は映画が好きなんだな」と改めて感じたという、その思いを聞いた。(前編から続く)
◇ ◇ ◇
日刊スポーツ映画大賞の選考会では、選考委員の間から「まなざしの強さ、素朴さ…(受賞対象となった『ゴールデンカムイ』『正体』の2作は)山田杏奈がいたから成立した。今後、日本映画を支える存在になっていくと感じた」との声も出た。そのことを伝えると「そういう(『正体』で目力を抑えた芝居をした)やり方ができたのかな? そうやっていったら、見てくれている人がいるんだと感じました」と笑みを浮かべた。その上で、映画とは自分にとって、どういうものかと投げかけた。山田はしばし、考えた末、静かに口を開いた。
「より1つのもの、完成に向けて全体で頑張っていこうという部分を強く感じ、私は、映画という作品の中の一部になれるんだなと、すごく思うし。芸術作品として(後世に)残っちゃうかも知れないって思うと、どうしようもなくワクワクしますね。自分が生きている証拠じゃないですか? なかなかない、面白い仕事だなと思います」
10歳だった11年に「ちゃおガールオーディション」でグランプリを獲得し、芸能界入りした。その時は、賞品のゲーム機「ニンテンドー3DS」に心引かれた、ごく普通の子供だった。ここまでのキャリアを、どう考えているかと聞くと、すぐに答えが返ってきた。
「気付けば、人生の半分以上…これだけの年数をやっていても『私、何でこの仕事をしているんだろう?』『何でテレビに出ている人になっているんだろう? みたいに、みんな、思わないのかな?』『もっと地に足が付いていなくて良いのかしら』とか、ふと思うことがあるんです」
芸能という、ある種、浮世離れした世界に身を置きながら、人間としての自らを一歩引いて見つめている。だからこそ、ここまで俳優を続けてこられたことについて、周囲への感謝の念も深い。
「運も良かったと思うし…いろいろな意味で。出会えた人のおかげ。10歳の時に始めて、辞めていく人も、いっぱいいた。だから、自分が今、やれているのって本当に幸運だなと思っているし。とか続けられていて、芝居の仕事は楽しいって、ずっと思い続けられているのも、幸運だと思う」
受賞を弾みに今後、どこまで突き進んでいくのか? と聞くと「ひとまず、30代になった時に、続けていられる人でありたい」と口にした。30代まで、あと6年…意外と近いところを、1つの節目と考えている裏には、15歳の時にマネジャーと交わした「30歳になって続けている人は少ないから」という言葉がある。
「30代まで、あとちょっとありますけど、そこまで続けていられること自体が、当たり前ではない仕事だと思うので、まずはこの世界に、い続けたい」。
そう、謙虚に口にした姿を見て、刹那に感じた「スクリーンで、ずっと見ていたい」という思いを言葉にして伝えると、こう答えた。
「ずっと見ていたいと、言ってもらえる人間でありたいというか。今、何か、ちょっと変だな、でも変わったなということを、人間的にでも楽しみにしてもらえる役者でいたい。自分自身も、人間的に膨らませたいです。『ゴールデンカムイ』の舞台あいさつで変わったって、言ってもらえるなんて思わなかったので」
これまで、どの舞台あいさつでも見たことがなかった、柔らかく、日の光のように温かい山田の笑みが、目の前にはあった。【村上幸将】
◆山田杏奈(やまだ・あんな)2001年(平13)1月8日生まれ、埼玉県出身。11年「ちゃおガールオーディション」でグランプリを獲得し、芸能界入り。16年「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」で映画デビュー。19年「小さな恋のうた」でヨコハマ映画祭最優秀新人賞、23年「山女」でTAMA映画賞最優秀新進女優賞。特技は習字。159センチ、血液型A。
◆ゴールデンカムイ 北海道で砂金採りに明け暮れていた杉元佐一(山■(■は崎の大が立の下の横棒なし)賢人)は、アイヌ民族から強奪された金塊の存在を知る。そんな時、ヒグマの襲撃を受けた杉元をアイヌの少女アシ■パ(山田)が救う。アシ■パも父親の敵を討つため、杉元と金塊を追う。
◆正体 凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)が脱走した。刑事・又貫(山田孝之)は鏑木が潜伏先で出会った舞(山田)らを取り調べるが、彼女らが語る鏑木は別人のようだった。顔や姿を変え、逃走を続ける真相を探る。
この記事に関連するニュース
-
【ウポポイ】東京公演・恵比寿|1月6日(月)から観覧申込開始。俳優・山田杏奈さんも登壇
PR TIMES / 2025年1月6日 11時15分
-
【映画大賞】山田杏奈、助演女優賞に至る1年で大きな変化を感じた2つの取材機会/ロング版
日刊スポーツ / 2025年1月1日 5時0分
-
実写版『ゴールデンカムイ』続編映画の舞台はどうなる?ドラマ版で第一部完
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月28日 11時2分
-
実写『ゴールデンカムイ』続編映画、山崎賢人&山田杏奈らドラマ版キャスト続投へ!
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月23日 16時30分
-
ストゥ(制裁棒)には「打撃練習」があった!? 『ゴールデンカムイ』監修者が明かすアイヌ文化の豆知識
集英社オンライン / 2024年12月16日 10時0分
ランキング
-
1NHK大河『べらぼう』でも色気を放つ28歳、むきだしになる美脚に思わず目が奪われる…
女子SPA! / 2025年1月12日 8時45分
-
2ラランド・サーヤ、電撃イメチェンに「新鮮」「びっくりした」と反響続々
モデルプレス / 2025年1月12日 11時22分
-
3カイリー・ジェンナーを、授賞式会場で「露骨に無視」したデミ・ムーアに賛否...「失礼」「リアル」
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月10日 19時39分
-
4広瀬すず、妖艶・無邪気…多彩な表情&衣装で新境地「ゆきてかへらぬ」場面写真7枚解禁
モデルプレス / 2025年1月12日 10時0分
-
588歳・山﨑努が語った“令和のがん告知”のリアル「今は本人にもずばりだからね。『生存率は10から15%』とまで」
文春オンライン / 2025年1月12日 6時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください