【映画大賞】中西希亜良「ぼくのお日さま」公開3カ月で13歳新人賞に見た成長と変化/ロング版
日刊スポーツ / 2025年1月1日 6時0分
第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原音楽出版社協賛)の各賞が、先月27日の配信番組および28日付の紙面で発表されました。動画や紙面でお届けできなかった受賞者、受賞作関係者のインタビューでの喜びの声を、あらためてお届けします。
◇ ◇ ◇
中西希亜良(13)は、演技未経験で出演した「ぼくのお日さま」(奥山大史監督)1作で、史上最年少13歳での新人賞獲得の快挙を成し遂げた。「自分が賞を取るとか思ってもみなかった。ノミネートを聞いた時点で、すごいうれしかったので…信じられない」と驚いた。まだあどけなさが残る表情を見せつつ、24年9月の公開時にインタビューした際、控えめに口にした「1回しか演技していないので、比べるものがないけれど芸能活動は続けていきたい」という思いに向け、着実に歩んでいる今を明かした。
4歳から続けたスケートが、想像もしなかった俳優への扉を開いた。リンクに「ヒロイン募集中」の張り紙があり、コーチの勧めでオーディションを受け、自身と同じフィギュアスケート選手の、さくら役を射止めた。撮影当時は11歳だったが、池松壮亮(34)演じるコーチの荒川に怒りをぶつけるシーンで見せた感情のうねりは、体に染み付いたスケートの実演以上に強烈なものをスクリーンに刻み込んだ。募集を見た当時の自分に受賞を伝えたら? と聞かれると「ウソだと思い『そんなわけないでしょう?』と言うと思います」と笑った。
怒りのシーンを、どう作ったかと聞くと、主演の越山敬達(15)が演じたホッケーが苦手なタクヤが、さくらに心奪われたことをきっかけに、荒川にフィギュアスケートの指導を受け、ペアでアイスダンスの練習を始めたところの心情を考えたと振り返った。
「さくらなりに、怒っていた。荒川の生徒が1人だったはずが、自分をそんなに見なくなって、いつもタクヤを見ていることに、いらついたのかな。それ(本心)を、どうやって言うか分からなくなって激しいことを言っちゃって、後悔するというか…」
自身の、スケーターとしての経験を、役作りに落とし込んだかと聞くと、すぐに否定した。「(自分は)先生に、そんなに怒ったことはないので」と、はにかんだように笑った。
最近、変化したことを聞くと「時々、演技レッスンをやったりしています」と明かした。「行動とか、表現が小さいと言われます。もっと、自信を持った方が良いと言われています」と課題を口にした。
英語とフランス語はネーティブレベルで、これまでは「日本の映画は全然、前は見ていなかった」と、米国を中心に海外の映画を見ていたという。それが、日本で芸能活動を続けていくことを踏まえ「お母さんが、お勧めの映画は見ています。最近は『怪物』(是枝裕和監督)と「夜明けのすべて」(三宅唱監督)を見て」と、邦画を意識的に見るようになったという。日本映画を見て感じたことを聞くと「それぞれ(作品が)違うので…」と口にした上で「映像もすごいきれいだし、気持ちの動きがきれい。気持ちを、いっぱい出すというより、見ている方が想像できるような映画が多い。『ぼくのお日さま』もそうかなと思ったりしています」と評した。
初めて演技した「ぼくのお日さま」は、スケートという自らの経験を生かせる役どころだった。今後は「スケートとかの関係じゃなく演技をする…その役になりきって頑張ります」と意気込む。日本の俳優が海外の作品に挑戦する際、直面する言葉の壁は、わずか13歳の時点で、もはや存在しない。海外の作品に出演したら? と聞かれると「すごい経験になりそう」と笑みを浮かべた。そして、目標を掲げた。
「役を通して、いろいろな挑戦をし、自分の新しい面を探し、どんな役でもなりきれる俳優」
一点の曇りもよどみもない、真っ白なキャンパスのような澄んだひと言には、どこまでも広がる可能性があふれている。【村上幸将】
◆中西希亜良(なかにし・きあら)2011年(平23)6月16日生まれ、東京都出身。特技はフィギュアスケートで、アイスダンスで全日本フィギュアのノービス選手権(10~13歳)に出場した経験を持つ。12歳で参加した5月のカンヌ映画祭(フランス)では、フランス人の父に磨かれたフランス語を、7月の外国特派員協会記者会見では流ちょうな英語を披露し注目された。160センチ。
◆ぼくのお日さま 吃音(きつおん)のホッケー少年・タクヤ(越山敬達)は、フィギュアスケートを練習するさくら(中西)に一目ぼれする。やがて、さくらのコーチで元フィギュアスケート選手の荒川(池松壮亮)の提案で、2人はアイスダンスのペアを組む。
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