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脂ののり抜群、初競り2億700万円大間産クロマグロ 天候崩れず漁獲量も6トン増え大豊漁

日刊スポーツ / 2025年1月5日 19時24分

276キロのマグロを前にして左からなだ万の鈴木史調理本部長、おのでら長尾真司社長、「やま幸」山口幸隆社長、おのでら坂上暁史料理長(撮影・寺沢卓)

東京卸売市場(豊洲市場)の初競りが5日行われた。1キロ当たりの最高値が“一番マグロ”と称され、大間産276キロのクロマグロに1キロ75万円、1匹2億700万円の値がついた。

記録が残る1999年以降で2番目の高値になった。年末年始の天候が崩れなかったことで漁獲量も伸びた。昨年に比べると生ホンマグロは95匹、総重量で6トン増え、競り場にはゴロンとしたマグロがところ狭しと並んで大豊漁となった。

   ◇   ◇   ◇

脂ののりが抜群だった。競り場で仲買人らがヒソヒソ声で「見たか、大間のデカいヤツ」「第56新栄丸の船長、いい仕事したね」「ツヤ、ハリいいね。今日の一番マグロ、横綱だね」とあいさつ代わりに話した。大間産276キロのクロマグロはマグロ職人の視線をクギ付けにした。

競り落とした築地仲卸の「やま幸(ゆき)」山口幸隆社長は「ぐるんと競り場をひと回りして、このマグロだと思った。脂のりも抜群でさすが第56新栄丸。大間のレジェンドですよ」と仕留めた竹内正弘船長(73)をほめたたえた。

竹内船長は4日、朝7時30分から8時ごろに仕込んだはえ縄を回収。5匹かかり、今回の276キロと183キロ、167キロ、166キロ、140キロの大型ばかりを釣り上げた。「取ればいいってもんじゃねえ。3、4日は荒れない天候だと分かっていたから、年末は船を出さなかった。海と相談して出船する日を決めた。うまいこといったね。夢みたいだ」とニヤリと笑った。2018年には405キロを仕留めており、今回は2番目の大きさとなった。

目利きをする山口社長と「鮨 銀座おのでら」などを運営する長尾真司社長は「2(億円)はいきましょう。いいマグロなら3までで」と最大で3億円まで競り合う覚悟で臨んでいた。結果は1キロ当たり75万円で、初競りの一番マグロだった。1匹で、こちらも2番目の高値の2億700万円。「おのでら」グループの回転鮨店では「赤身とトロ1貫ずつのセット」を1160円で提供し、傘下の和食老舗「なだ万」でもコース料理に加えられる。【寺沢卓】

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