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「福男選び」北口榛花にあこがれる高校生が一番福、二番福はガーナ出身の父を持つ大学生

日刊スポーツ / 2025年1月10日 8時27分

一番福の大岸史弥さん、二番福の小松勇輝クワァベナさん(右)、三番福の矢吹彰大さん(左)(撮影・阪口孝志)

商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社、西宮神社(兵庫県西宮市)で10日、参拝者が開門と同時に参拝一番乗りを目指し境内を疾走する恒例の伝統神事「福男選び」が実施された。

今季最強寒波が襲来し、スタートの午前6時の気温はマイナス2度だったが、5000人の参拝者が訪れた。

太鼓の音を合図にスタート位置の「表大門」が開くと、くじ引きで選ばれた最前列の108人を皮切りに、参拝者が本殿までの約230メートルを駆け抜けた。

先頭で駆け込み「一番福」になったのは初挑戦の大岸史弥さん(17=兵庫県宝塚市)。前夜に友人から誘われ、運試しに4人で参加。他の3人はくじに外れたが、大岸さんは先頭グループの16番くじを引き当て、100メートル、12秒台前半の快足で抜けだした。

「実感はないですが、素直にうれしい。みんなに福を与えていきたい。今年は受験と部活を両立したい」

県立宝塚高校の陸上部に所属し、昨年行われた阪神ユース円盤投げ1位、やり投げ2位の記録を持つ。

「北口選手みたいになりたい」と昨年のパリ五輪女子やり投げで金メダルに輝いた北口榛花へのあこがれを口にした。

来週17日に阪神・淡路大震災から30年を迎える。大岸さんの母親も体験しており、地震の話は聞かされてきた。節目の年に福男となり、「ボランティアとか募金活動とかできることをやって助けられたら」と語った。

「二番福」は12番くじからスタートした東大阪市の小松勇輝クワァベナさん(21)。現在、龍谷大3年で友人と音楽やイベントを楽しむ日々を送っており、「友達の支えがあった。自分の人生に欠かせない人たち」と感謝した。

父はガーナ出身。好きな音楽は「いっぱいある。邦楽は好きだし、僕自身アフリカにルーツがあるから、そういう音楽も好きですね」。

4月からは大学4年生となり「就職活動とかいろいろやらないといけないことがある」と気を引き締めていた。

「三番福」は同志社大4年、矢吹彰大さん(22)。大学では硬式野球部に所属していた。運試しで参加し、くじ番号は35番と有利とはいえなかったが、50メートル6秒8の脚力と野球で磨いたコーナリングで三番福に飛び込んだ。

すでに金融業界への就職も決まっており、「良いスタートが切れてうれしい。今年は社会人1年目なので頑張りたい」と話した。

福男選びは、本えびすの1月10日に行われる「開門神事」の一環。本殿への先着3人を1~3番福と認定する。

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