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フジテレビ港浩一社長辞任も逆風やまず「カメラから逃げたと言われても仕方が無い」

日刊スポーツ / 2025年1月28日 5時0分

記者会見で謝罪する、左からフジテレビ遠藤龍之介副会長、港浩一社長、嘉納修治会長、フジ・メディア・ホールディングス金光修社長(撮影・江口和貴)

フジテレビがついにメスを入れた。中居正広氏(52)の女性トラブルに同局社員が関与していたとする一連の報道に揺れる中、27日に取締役会を開催し、港浩一社長(72)と嘉納修治会長(74)の退任を決定。

新社長には今日28日付でフジ・メディア・ホールディングス専務取締役の清水賢治氏(64)が就任する。同日に“やり直し”で2度目の会見を行い、一連の問題について再度説明。テレビカメラ約30台、400人以上の報道陣の前で、組織としての再起を誓った。

   ◇   ◇   ◇

うつむき、力ない表情で会場に現れた港氏は「このような事態になっている責任を大きく感じています」と謝罪した。嘉納氏も「責任を取るべきだと判断を致しました」と退任を受け入れ、遠藤龍之介取締役副会長(68)金光修取締役社長(70)らとともに、約10秒間頭を下げて陳謝した。

かつて視聴率3冠王を獲得し、多くの人気番組を生んできた“バラエティー王国”でもあるフジテレビの土壌を作り上げてきた幹部が、姿を消す。事の発端は、昨年12月に一部週刊誌で報じられた中居氏のトラブル。社員が関与していたとする報道もあり、局内で女性社員をタレントとの接待の場に“上納”する慣習が常態化していた、とする疑惑も浮上した。一連の説明を試みた今月17日の会見は映像カメラを入れず一部メディアのみに限定し、批判が殺到。スポンサー離れが加速し信頼失墜を招いた。 企業風土の刷新を目指すとしたが、その礎の一因となった取締役相談役の日枝久氏(87)はこの日の会見に不在。嘉納氏は、会見は日枝氏の業務ではないとし「(業務の)責任は私と港にあるという認識」と説明。日枝氏の口から“責任を取る”と言った旨の発言はあったかと問われると「特段、言える内容はございません」とけむに巻いた。金光氏は日枝氏の影響力の強さをを認めた上で、退任の可能性について「第三者員会が目安になる。例外なく、全役員に対してあるべき姿の体制を作らなければならない」と述べた。

非難が殺到した17日の会見の形式は、港氏自身の最終判断で決定された。「この状況に至っている責任もありますので、早い段階で辞任を心の中で固めていた」と告白。社員向け説明会が行われた23日には自身の中で決心したという。「これまでカメラを向けて疑惑を追及してきた弊社がカメラから逃げたと言われても仕方が無い。メディアの信頼性を損なったことに痛感している」と受け止めた。

調査の結果は3月末の公表をめどとしているという。この日も記者の質問に対して、あいまいな回答が多かったことは否定できない。逆風がやまない中、フジテレビは再出発を試みることになった。【望月千草】

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