「週刊文春は廃刊にした方がいい」古市憲寿氏が1260文字の長文で真意説明「信用は地に落ちた」
日刊スポーツ / 2025年1月31日 18時2分
社会学者の古市憲寿氏(40)が31日、X(旧ツイッター)を更新。この日出演した関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」内で発した「週刊文春は廃刊にした方がいい」とのコメントの真意を1260文字の長文で明らかにした。
週刊文春をめぐっては、中居正広氏(52)の女性トラブル報道をめぐり、第一報の記事内容を修正、訂正と謝罪を行っている。
古市氏は「『#とれたてっ』という番組で『週刊文春』は廃刊にした方がいいとコメントしました。それは今回のフジテレビ問題の『修正』に関して責任を取るという意味もありますが、文藝春秋社で働く社員を含めて、『週刊文春』が多くの人を不幸にする仕組みだと思うからです」と書き出した。
「『週刊文春』編集部と聞けば、ハイエナのようにスキャンダルを探すひどい記者の巣窟というイメージを持つ人がいるかも知れません。でも実態は全然違います。大きく分けて編集部には、文藝春秋社の社員と専属の記者がいます。何も社員は『週刊文春』の編集部で働きたくて入社してきたわけではありません(皆無とは言わない)」と前置きした。
そして「文藝春秋社は直木賞・芥川賞を有するくらい、格式ある出版社です。たくさんの良質な文芸作品を出版してきました。だけど『いい小説を作りたい』と入社してきた社員が必ずしも文藝部に配属される訳ではありません。特に新入社員は『修行』のような形で『週刊文春』の編集部で働かされる、という慣習がありました。僕の友人でも、『週刊文春』時代に嫌な思いをした編集者がたくさんいます」とした。
さらに「文藝春秋社内でも、『週刊文春』は異質な存在です。同時期に他の部署で仕事をしている人のスキャンダルを平気で記事にする。本当に社会的に意味がある内容なら許容されるとしても、どうでもいいゴシップ記事を出して、他部署が翻弄されるということがよくあります。真面目に仕事をしてきた文藝部の編集者で、『週刊文春』に困らされてきた人は少なくないと思います」と推察した。
その上で「しかも紙の雑誌は高コストです。もともと文藝春秋社では、『週刊文春』をスリム化して、文春オンラインなどネットを拡充するという構想がありました。それでもなお、文藝春秋社として社会的使命のために『週刊文春』を残したいというのなら、それは一つの経営判断です。ただ今回の一件で、『週刊文春』への信用は地に落ちたと思います。実はこれまでも裁判で認定されるような誤報も複数ありました。それに世間が気付いただけ、とも言えます」と記述。
「僕は文藝春秋でも仕事をしてきたし、いい編集者をたくさん知っています。『平成くん、さようなら』も『ヒノマル』も文藝春秋社から出した小説です。だからこそ、『週刊文春』のために、文藝春秋社のイメージがこれ以上悪くなることがとても悲しい。もしこのまま『週刊文春』が暴走を続けて、文藝春秋社がなくなるなんてことになったら、もっと悲しいんです」と訴えた上で「たとえば政治へタブーなく切り込む存在は必要です。それを含めてメディアのあり方を考え直す時期にきているのではないかと思います。その意味でも、信用力が落ちた『週刊文春』は、社会的役割を終えた、というのが僕の意見です」とつづった。
「最後に一つ。もしも『週刊文春』を残すのなら、フジテレビ問題の『修正』を詳しく検証するのみならず、これまで文藝春秋社内で起こってきた性加害事件や、不倫問題についても報じないとフェアではないですよね。今やフジテレビでさえ自社のことをここまで報じているわけですから。そこまでしないと『週刊文春』の信用回復は無理だと思います」とした。
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