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【ひふみんEYE】歩のない将棋は負け将棋 相手の不備突く藤井聡太王将のうまさ光った

日刊スポーツ / 2025年2月6日 21時7分

永瀬拓矢九段に3連勝して王将戦4連覇まであと1勝とした藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)

<ひふみんEYE>

藤井聡太王将(22)が4連覇まであと1勝とした。

6日、東京都立川市「オーベルジュ ときと」で行われた将棋の第74期ALSOK杯王将戦7番勝負第3局で、挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に134手で逆転勝ち。3連勝とした。第4局は15、16日、大阪府高槻市「摂津峡花の里温泉 山水館」で行われる。

   ◇   ◇   ◇

いい意味で勝負に厳しい2025年バージョンの藤井将棋を見せてもらいました。角換わりの出だしから永瀬九段が手筋を連発して食い下がっていたのですが、飛車を8筋の最下段に引く封じ手は、私も予想だにしませんでした。「落ち着いて、腰を据えて、じっくり指しましょう」という施政方針のように感じました。事実、これで先手から9筋が攻めづらくなっています。8筋の桂を取られても、歩を打って先手の飛車を2筋に追いやるなど、「辛抱して指している」という感じでした。

藤井王将のうまさは相手の不備を突くこと。永瀬九段の歩切れを見て終盤、竜が2筋に入りました。歩があれば「金底の歩、岩より堅し」となるわけですが、攻め駒の香を打たざるをえなくなっています。これで藤井玉には速くて厳しい攻めがなくなり、「歩のない将棋は負け将棋」へと追い込みました。

永瀬九段も藤井玉のトン死を狙いましたが、しっかり受けて攻撃手段をなくしました。棋王戦第1局といい、厳しい指し手が目立ちます。王将戦4連覇はかなり濃厚でしょう。

とはいえ、相手は1日10時間は研究するという永瀬九段ですから油断はできません。新たな研究手順で1勝返せば、まだまだチャンスはありますよ。(加藤一二三・九段)

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