MCTを上手に活用して認知症予防を:広川慶裕先生インタビュー

認知症ねっと / 2018年2月1日 16時10分

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ひろかわ脳とこころの健康クリニック 院長 広川慶裕先生インタビュー

みなさん「MCT」をご存知でしょうか。MCTとは、近年認知症(アルツハイマー型)に対する効果が確認されつつある「中鎖脂肪酸」を含むオイルのことです。そんなMCTをMCI(軽度認知障害)の予防・治療に積極的に取り入れているひろかわ脳とこころの健康クリニック院長の広川慶裕先生に、MCTのもつ働きと取り入れ方についてお話をうかがいました。

──まずMCTがどのようなものなのか教えてください。

MCT(Medium Chain Triglyceride)とは「中鎖脂肪酸100%のオイル」のことです。主にココナッツやパームフルーツを原料として作られています。アルツハイマー型認知症への効果が期待されている中鎖脂肪酸を効率よく摂取できる食品として、近年医療分野でも注目を集めています。

──中鎖脂肪酸がアルツハイマー型認知症によいとされるのはなぜですか。

脂質を構成する成分である脂肪酸は、結びついている炭素の数により「短鎖」「中鎖」「長鎖」という3つの脂肪酸に分類されます。中鎖脂肪酸は、非常に吸収されやすいという特長をもっています。その速度は長鎖脂肪酸の4〜5倍ともいわれます。体内に取り入れられた中鎖脂肪酸は、直接肝臓に届き、脳や心筋、骨格筋、腎臓などのエネルギー源となるケトン体に短時間で代謝され、細胞に吸収されます。

脳はこれまでブドウ糖が唯一のエネルギー源とされてきました。しかし、アルツハイマー型認知症になると、脳では、ブドウ糖を代謝するためのインスリンが働きにくくなり、ブドウ糖をうまく利用できなくなります。そのため、エネルギー不足になり、脳が十分に働かず、認知機能の低下をもたらすことになるのです。

そんなブドウ糖に代わって脳のエネルギー源として注目されるようになったのがケトン体です。ケトン体によって脳のエネルギー不足を補うことで、認知機能が向上する例も確認されるようになっています。中鎖脂肪酸がアルツハイマー型認知症によいとされるのは、このケトン体を効率よく産生するためです。

──ケトン体とはどのようなものなのですか。

ケトン体とは、β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの総称です。そのうちβ-ヒドロキシ酪酸は、脳細胞に必要なものだけを取り込むために機能する脳血管の膜「脳血管バリア(血液脳関門)」を自由に通過することができます。

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