東大、「前臨床期アルツハイマー病」の特徴を発見

認知症ねっと / 2018年12月4日 10時0分

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健常高齢者の2割を占める「プレクリニカルAD」

東京大学大学院医学系研究科の井原涼子特任助教、岩坪威教授らの研究グループは、日本人を対象にしたJ-ADNI研究(※)により得られたデータを用いて、60~84歳の認知機能正常高齢者の22.6%がプレクリニカルADに相当することを示しました。

「プレクリニカルAD」は、アルツハイマー病の病理変化が生じているが、臨床症状の見られないもので、アルツハイマー病の根本治療薬による予防的な治療の対象として注目されています。しかし、日本人におけるプレクリニカルADの特徴は十分知られていませんでした。

今回の発表のポイントは次の通りです。

『◆アルツハイマー病の病理学的変化が始まっているが、認知機能障害をまだ発症していない「プレクリニカルAD」が、日本人高齢者の 2 割程度を占めることを示した。
◆プレクリニカル AD の被験者の認知機能を 3 年間にわたって追跡すると、記憶および遂行機能の検査での学習効果が減弱する傾向が見られた。
◆この特徴に留意することで、プレクリニカル AD を対象とする根本治療薬の治験における被験者の効率的な選択や、新たな認知機能検査の創出が進むものと考えられる。』

本研究成果は『Alzheimer’s and Dementia: Translational Research & Clinical Interventions』11月19日(月)(米国東部標準時間)オンライン版に掲載されました。研究の詳しい内容については下記外部リンクよりご覧下さい。

※J-ADNI研究:2004 年より北米で始まった Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative(ADNI)研究に倣い、ほぼ同じプロトコルを用いて本邦でも 2008 年から 2014 年にかけて J-ADNI研究が実施され、全国38施設で計537名の方が参加されました。J-ADNI 研究では、認知機能正常高齢者、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症の方を脳画像検査、脳脊髄液検査、認知機能検査、臨床評価尺度を用いて 2~3 年間にわたって経時的に追跡し、各臨床病期によってどのような評価方法が最も効率的に変化を検出しうるかを探索することを目標としました。J-ADNI研究は、全てのデータを外部研究者を含めて利用可能とすることでデータの活用促進を目指しており、J-ADNI研究のデータセットは、バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)にて公開され、適切な申請手順を行うことによって全世界の研究者が利用可能となっています。本研究でも NBDCサイトよりデータを入手しました。

(画像はイメージです)

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