山口先生コラム「やさしい家族信託」第1回:大変、お母さんが認知症?! 自分のお金がおろせない! うちは大丈夫?認知症による資産凍結のリスク

認知症ねっと / 2019年5月14日 11時0分

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司法書士事務所ともえみ 代表司法書士 山口先生コラム「やさしい家族信託」

厚生労働省によれば、2025年には認知症患者が700万⼈になると⾔われています。認知症になると資産は凍結され、⾃分や家族のために財産を動かすことができなくなります。

本コラムでは、「職業後見人」として高齢者の方の財産を管理し、また、自身の両親の「家族信託受託者」としても活動する高齢者支援専門の司法書士である山口良里子先生が、認知症から⼤切な資産を守るために注⽬される「家族信託」についてわかりやすく解説します。


2018年8月「認知症患者の凍結資産200兆円」ショッキングな見出しが新聞を賑わせ驚かれた方も多いかもしれません。認知症発症により「塩漬け」とされる高齢者の金融資産額は年々上昇しており、2030年時点で215兆円に達するとの試算が発表されたのです。

弊所でも「親がハンコや通帳をなくしてしまいお金をおろせなくなった。」や「親のお金をおろしにいったところ、本人でないとおろせないと言われた。」など、親のお金がおろせなくなり困っているという相談が増えています。

認知症になったからといって、直ちに「資産が凍結される」ということはありません。「認知症」とは、「脳の病気などによって認知機能が低下してさまざまな症状が表れ、生活に支障が出ている状態」のこと。その症状はひとつではなく、「もの忘れがひどい(記憶障害)」「今日が何日かわからない(見当識障害)」などがあり、その程度も、症状の出方も様々です。認知症と診断されたとしても、周りの方のサポートによって、今まで通りの生活をされている方もたくさんいらっしゃるのです。

お金の管理についても、例えば、お母様を銀行まで連れて行ってあげたり、キャッシュカードを預かってお金をおろしてきてあげたり、ご家族や信頼できるサポーターの方の支援を受けながら、今まで通りの暮らしをされている場合も多いです。

しかし、財産には「名義」があり、本人名義の財産は本人しか使えないのが原則です。日常のお買い物程度であれば、前述のようなサポート体制でなんとかなるかもしれませんが、大口の取引の場合そうはいきません。定期預金を解約したり、株や投資信託を売却したりする場合、銀行や証券会社の担当者は、「本人の意思を確認したい」と言ってきます。この時、本人の判断能力が低下しており、「意思確認」ができないとなると、たとえご家族がいても、前々から財産の管理や処分について頼まれていたとしても、お金が出せなくなってしまうのです。

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