山口先生コラム「やさしい家族信託」第5回:大変、お母さんが認知症!?「遺産」が使えなくならないように、元気なお父さんに今すぐしてもらいたいこと

認知症ねっと / 2019年6月14日 10時0分

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司法書士事務所ともえみ 代表司法書士 山口先生コラム「やさしい家族信託」

厚生労働省によれば、2025年には認知症患者が700万⼈になると⾔われています。認知症になると資産は凍結され、⾃分や家族のために財産を動かすことができなくなります。

本コラムでは、「職業後見人」として高齢者の方の財産を管理し、また、自身の両親の「家族信託受託者」としても活動する高齢者支援専門の司法書士である山口良里子先生が、認知症から⼤切な資産を守るために注⽬される「家族信託」についてわかりやすく解説します。


我が国の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳。

女性の方が長寿だからでしょうか、男は仕事、女は家庭との役割分担の名残でしょうか、男性が将来介護を希望する相手は「配偶者」、女性の場合、ヘルパーなど介護サービスの「プロ」が最も多いという結果がでています。(平成30年高齢者白書)

B子さんのお母さんは、77歳。B子さんの家から車で10分のところに、お父さんと2人で住んでいます。

専業主婦でお料理と編み物が得意だったお母さんは、1年前、アルツハイマー型認知症と診断されました。

両親のお金はほとんどがお父さん名義。そのため、財産が凍結することはなく、お父さん名義のお金を使い、お母さんはしっかり介護サービスが受けられます。

デイサービスを利用し、ヘルパーさんなどと協力しながら、お父さんと2人で今まで通りの暮らしを続けています。お父さんも、生活費のやりくりだけでなく、料理や洗濯もするようになり、B子さんも驚くくらいの腕前になっています。

ところが、ある日、お父さんから「風邪をひいて寝ている。」と電話がありました。慌てて実家に戻ってみると、お父さんの熱は既に下がっていて「ちょっと疲れが出ただけ」と言っていました。

しかし、B子さんは、このまま万が一お父さんがお母さんより先に他界してしまったらどうなるのか心配になってきました。

どなたかが他界すると「相続」が発生します。そして、故人が残した財産は、遺言があれば遺言のとおりに、遺言がなければ相続人全員で話し合い(遺産分割協議)をして分けることになります。(民法907、908条)

B子さんのお父さんが、お母さんより先に他界した場合は、B子さんとお母さんの「遺産分割協議」でお父さんの遺産を引き継ぐということになります。

B子さんのお母さんは既に認知症。そのため「遺産分割協議」ができず、折角お父さんが残した遺産を引き継いで使うことができません。

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