ロンドン橋殺傷事件~日本は脆弱なテロ対策をどうするのか
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2019年12月2日 11時40分
29日、英ロンドンのロンドン橋付近で警戒に当たる警察官(ゲッティ=共同)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月2日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ロンドン橋殺傷事件について解説した。
ロンドン橋で殺傷事件~アルカイダに影響を受けた犯人射殺~
イギリスのロンドン中心部テムズ川にかかるロンドン橋で、刃物で2人を殺害した後、武装警察に射殺された容疑者について、ロンドン警視庁はウスマン・カーン容疑者(28)と公表した。アルカイダに影響を受けていたカーン容疑者は、ロンドン証券取引所の爆破計画に関与した罪で2012年に有罪となった後、2018年末に仮釈放され、電子タグの常時着用を条件に保護観察中だった。
飯田)懲役刑としては10年以上だったのですけれども、刑期の半分を前にして仮釈放になっていたという点も、現地では議論の対象となっているようです。
須田)ヨーロッパ、アメリカもそうですが、人権と国民の安全のバランスの取り方に苦しんでいるようです。犯人を取り押さえるという日本的な発想では、被害がどんどん拡大して行きます。イギリスのEU離脱を含め、テロ組織の人間の移動がフリーパスのような状況になっていて、国内対策だけでは間に合わなくなって来ているのでしょう。今回、テロ犯人に対して、殺す前提で対応に当たっているところには批判も強い。「ではテロを防止するためはどうすればいいのか」ということに対して、明確な対策が見つかっていないのも事実です。
危険思想を持った犯人を仮釈放するべきだったのか
飯田)大元の仮釈放のことを考えても、基本的には更生して来たから仮釈放、というのが人権の流れですよね。ところが、信仰心のような確固たる気持ちのなかで、もう1回テロをやるということになると、そういうスキームが果たして有効なのかも含めて議論になっているようですね。
須田)そのバランスをどう取るのか。まったく違う話ですが、ロンドン警視庁、スコットランドヤードは基本的に拳銃を携行しない、警棒で対峙するというスタンスでこれまでやって来ました。それは市民のなかの警察ということを意識してのものです。拳銃を持っていると威嚇することになるので、市民からの支持が得られない。しかしロンドンの伝統からは逆の、こういう対応を取らざるを得ないような状況に追い込まれていることを、認識しなければなりません。
飯田)もともとこの容疑者も、爆破計画に関与した罪ということになっているではないですか。事前に情報があって拘束して、というところでは有効に機能していたのだけれど、最後の部分でしたね。
来年以降、日本も他人ごとではない
須田)司法の手続き上の問題なのでしょうけれども、その一方で、国内の諜報機関であるMI5(イギリス情報局保安部)が常時監視状態に置いていたということです。それはやるべきことだと思いますが、先進国は膨大なテロ対策コストを強いられているわけです。さらに犯人の身柄を確保して刑務所に送り込む、そして人権として出されて来る、といういたちごっこにおいて、国民のコスト負担をどう考えるべきなのかというところもあると思います。
飯田)他人事ではなく、日本もこれから先に移民が来るということになると、こういうことを考えなければなりません。
須田)外国人労働者や観光客がやって来て、グローバル化が進んでいるなかで、いつ何時そういった人たちが入って来るかわかりません。日本の治安対策は脆弱ですから、入って来るでしょう。決して他人事ではないと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
≪コメンテーター≫9(月)須田慎一郎/10(火)有本香/11(水)高橋洋一/12日(木)鈴木哲夫/13(金)佐藤正久 参議院議員(青山繫晴 参議院議員 アメリカから電話出演)
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