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重体説も~専門誌編集長が分析する金正恩委員長の現状

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年4月22日 17時40分

重体説も~専門誌編集長が分析する金正恩委員長の現状

 11日、北朝鮮・平壌で開催された朝鮮労働党政治局会議で話す金正恩党委員長(朝鮮中央通信=共同)

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月22放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。「デイリーNKジャパン」編集長の高英起を交え、北朝鮮の金正恩委員長が重体であるとするCNNの報道について解説した。

2020年4月11日、北朝鮮・平壌で開催された朝鮮労働党政治局会議で話す金正恩党委員長(朝鮮中央通信=共同) 写真提供:共同通信社

北朝鮮の金正恩委員長が重体との報道、韓国政府は否定的見解

韓国の北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」は20日、金正恩委員長が4月12日に心臓血管系の手術を受け、療養中であることを伝えた。一方、アメリカのCNNは情報当局者の話として、手術後に重体になったとの情報を発信している。韓国は「特殊な動きは確認されていない」と否定的な見解を示した。

飯田)日本時間では、21日朝10時くらいに飛び込んで来たニュースで、情報が錯綜しています。デイリーNKは、手術後の経過は良好と報道しています。一方、CNNは手術を受けた後は重体であると。それだけでも正反対ですが、韓国大統領府の報道官は、「金委員長は正常に活動しているように見える」としています。いったいどこを信じたらいいのでしょうか。この時間は、デイリーNKジャパン編集長の高英起さんにお話を伺います。高さん、おはようございます。情報が錯綜していますが、どう把握されていますか?

高)12日に手術を受けたことは確証が高いです。11日に朝鮮労働党の会議があり、それまでは精力的に活動していたことも間違いないと思います。ポイントは4月15日の金日成氏の誕生日に、錦繍山(クムスサン)太陽宮殿、金日成氏と金正日氏の遺体が安置されているところですが、そこを参拝しなかったことです。これは金正恩氏が最高指導者になって以降、初めてのことであり、異例です。よく最高人民会議を欠席したことを取り上げるメディアがあるのですが、最高人民会議の欠席はこれまでに何度もありました。しかし太陽宮殿を参拝しなかったことで、私は何かが起きているなと思いました。

朝鮮労働党中央委員会総会3日目に出席する金正恩党委員長=朝鮮中央通信が12月31日に配信(北朝鮮・平壌) 写真提供:時事通信社

術後の体調が良好である理由

高)問題は術後のことです。CNNの情報に関して否定する情報もないのですが、デイリーNKの内部情報では、ある程度良好だということです。もう1つのポイントは20日、キューバに祝電を送っています。祝電となると誰でも送れるのではないかという見方もできますが、北朝鮮では祝電に最高指導者の署名がありますので、その偽造はしません。北朝鮮は嘘で塗り固められていますが、最高指導者名義のことに関しては、意外とそういうごまかしはしません。そう考えると、術後はある程度良好で、もう少し経てばひょこっと表舞台に現れるのではないかと見ています。

飯田)そうすると韓国の大統領府が言っている、まったく何もなく正常に、というのは言い過ぎということになりますか?

高)韓国は正常にとは言っていますが、あくまでも特異動向はないというのが前提ですので、何もないということは否定していません。

心臓の手術を行ったことは間違いない

飯田)アメリカのメディアなどは、心臓の手術という表現をしていましたが、どういう手術だったのですか?

高)私も心血管の手術だと思います。手術情報があった後に公式の場に出ていないということと、一般論として、あの体で心臓病にかからない方がおかしいでしょうね。私は医療従事者ではないので、断言できませんが。そういうことを考えると、疾患を抱えていると見るべきだと思います。

飯田)きょう(22日)のコメンテーターは高橋洋一さんです。

高橋)アメリカのトランプ大統領が、金委員長からのレターをもらっているということを北朝鮮は否定しましたが、これはどういうことですか?

高)もしかするとアメリカは、金正恩氏の心臓手術の様子を受けて、何かを投げかけたということも考えられます。探りを入れた。その反応によって、実際に金正恩氏がどうなっているか判断できるかも知れないではないですか。いずれにせよ、北朝鮮とアメリカは対立していますが、金正恩氏とトランプ氏2人の関係は、そんなに悪くないと思います。その辺でトランプ氏は、何かメッセージを投げたのではないでしょうか。

金与正氏への権力移譲はない~現状では固まっている金正恩体制

飯田)新聞などで報道されているのが、妹の与正氏への権力移譲があるのではないかということですが、その辺はどうですか?

高)権力移譲というのは大げさです。そもそも北朝鮮は、金正恩氏と金与正氏の2人で体制を固めていると私は思っています。そう考えると、金正恩氏が仮に表舞台に復帰したとしても、健康不安で職務ができなかったら、与正氏しかやる人がいません。その体制を固めているのだと思いますが、既に移譲されたというのは、飛ばし過ぎだと思います。いずれにせよ与正氏が代わりになることは間違いないと思います。

飯田)その体制で固まっているというのは、一時期の健康不安説と並んで、権力関係も不安だという話がありましたが、むしろ金正恩氏の権力は固まっていると見ていいのですか?

高)権力争いについてはこの8年間ずっと出ているし、そうなれば北朝鮮体制は不安定になります。体制に批判的な私にとっては好ましいことですが、毎年、1年に3回くらいそういうことが言われていて、実際に北朝鮮の権力が揺らぐような事実があったかと言うと、何もありません。現状の金正恩体制は、がっちり固められていると思います。

南北軍事境界線がある板門店で握手するトランプ米大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2019年6月30日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

新型コロナは抑えられているか

飯田)最後に1点、北朝鮮でコロナウイルスの蔓延は起こっているのですか?

高)北朝鮮はコロナウイルスに、かなり早い段階から警戒していました。北朝鮮は全体主義国家なので、住民の動きは統制しやすいです。そう考えると、我々が思っている以上に感染拡大が抑えられているのかも知れません。しかし医療環境が劣悪で、中国との関係も深いことを考えると、ある程度はコロナウイルスの悪影響が及んでいると見なければいけないと思います。

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