迷走する「Go Toキャンペーン」~修復するためには何が必要か
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年7月21日 11時40分
【新型コロナ】 旅行代理店のGoToトラベルキャンペーンを知らせる張り紙 =20日、東京都渋谷区
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月21日放送)にジャーナリストの有本香が出演。混乱が続く政府のGo Toキャンペーンについて解説した。
Go Toキャンペーンの東京発着のキャンセル料補償へ
政府は、22日からスタートする観光支援事業「Go To トラベル」の対象から除外した東京都発着の旅行について、キャンセル料を補償する方針を固めた。
飯田)補償を認める範囲や支給方法を、国土交通省が調整して、21日に赤羽大臣が会見をする予定ということです。
最初にアドバルーンを上げて、その後から「やはりダメ」はダメなやり方
有本)比較の対象がおかしいかも知れませんが、新型コロナウイルスが最初に入って来たときには、危機管理、防疫ということがありました。そのような危機管理のときは、最初に大きく打ち上げて、だんだん縮めて行く。網を大きくかけて、どんどん小さくして行くということは有効なのですが、このようなキャンペーンやプロモーションというのは、最初に大きくアドバルーンを上げておいて、その後から「やはりこれもダメ、あれもダメ」となることがいちばんダメなやり方です。
飯田)みんな期待してしまいます。
有本)これは旅行業界だけではないのだけれども、この秋以降、企業はさらに厳しくなるわけです。そうすると、巷の景気もどんどん悪くなって行く可能性があります。そのときに、何が大事かというと、気持ちを必要以上に萎ませないということです。もちろん、仕事やビジネスを失う人もいますが、そこそこ普通に生きていますよ、という人がいるではないですか。このようなキャンペーンをしてしまうと、その人たちのマインドも縮小してしまうことになります。
感染の抑え込みに成功した台湾との違い~すべての感染者を追うことができている台湾
有本)私はどうしてこうなってしまうのかをいろいろ考えているのですが、最初の危機管理の段階から、方針や哲学が見えないことが問題だと思います。どういうことかと言いますと、台湾はいま、皆さん国内旅行をしています。
飯田)もうすでに。
有本)完全に抑え込んでいるからです。
飯田)コロナを。
有本)抑え込むことができた要因として、中国人を入れていなかったということがあります。
飯田)いち早く止めました。
有本)それと、幸か不幸か、去年(2019年)から中国が台湾への旅行者を、意地悪で止めていたということがあります。これが功を奏したのですが、そういうこととは別に、すべての感染者を追えているということが、いちばんのポイントです。感染経路がほぼすべてわかっているということです。今後も、また出たら、同じように徹底して追いかけて潰して行くということができるけれども、日本の場合、「フワッと収まって来たな」という感じでしかありませんでした。感染経路を徹底して追うかというと、そういうわけでもない。これが問題なのです。ですから、先ほど(21日)発表になっていましたが、8月1日から大規模イベントで5000人という上限制限を緩和するのを、やはり、また見直すと言っています。こういうことも悪手です。
飯田)広がると思っていたものが、広がらない。
COCOAを改善し、感染者を追えるシステムを早くつくるべき
有本)1つの対策としては、東京ドームが「東京ドームアラート」というものをやります。東京ドームのような大規模施設であると、自分たちで開発したアプリなどでやるのでしょうけれども、これに近い選択肢をもっと増やすべきだと思います。国が発表したCOCOAがあまり使われていません。使い勝手の点で問題があります。これを改善し、アプリで感染者を追えるという状況をつくる。個人情報をできるだけプロテクトしながら、スマートフォンや携帯などですべて追いかけられるようにする。これらを徹底するということが大事だと思います。そうすれば、国内の人の移動を徐々に広げて行くことができますし、旅行も大勢で大騒ぎすることがなければ勧めることもできます。密を避けること、唾液が飛ぶような状況を避ければいいというポイントを抑えて、なおかつ、どのように動いたかということを追うことができるインフラを、1日でも早くつくるべきだと思います。
飯田)すべてがいま、中途半端な状態で留まってしまった。
有本)中途半端な状況で、さまざまな業界からいろいろなことを言われると、気持ちだけ焦って発表してしまい、後から「あれもやめた、これもやめた」というのはダメだと思います。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「楽天トラベル」、夏の海外旅行が最大50,000円オフになる「さきどりサマー」キャンペーンを本日より実施
PR TIMES / 2024年4月25日 16時45分
-
なぜJR赤羽駅の発車メロディは「エレカシのヒット曲」なのか…北区観光協会の夢を追う地元愛の物語
プレジデントオンライン / 2024年4月23日 9時15分
-
骨折して気がついた!「“健康意識の高い人の食事”ではいけない」脱・粗食のススメ
週刊女性PRIME / 2024年4月22日 8時0分
-
「世界最強のパスポート」にビザを課す…日本と中国の関係の現在地
RKB毎日放送 / 2024年4月18日 17時11分
-
新幹線で着電「絶対そうだな」 確信した人的補償…関東旅行中に決まった“関東移住”
Full-Count / 2024年4月16日 7時10分
ランキング
-
1〈速報・那須2遺体〉“全身刺青”の宝島さん娘の内縁の夫が逮捕「何見てんだよ」とポルシェのオープンカーでライバル店に横づけ挑発…「彼はチンピラでした」「ほとんど亡くなった奥さんの命令で動いてた」
集英社オンライン / 2024年5月7日 1時17分
-
2「幼少期から酷い言葉を投げられることもあった」安達祐実(42)が週刊文春だけに語った実母への“絶縁宣言”
文春オンライン / 2024年5月7日 17時0分
-
33か月後に再び来店“万引き犯”…店はマークしていた 札幌の53歳女逮捕「やっていません」
STVニュース北海道 / 2024年5月7日 9時17分
-
4【中継】娘の内縁の夫が“首謀者”か 知人ら2人を死体損壊疑いで逮捕 那須夫婦遺体
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月7日 11時42分
-
5立て続けに自宅被災の珠洲市民、6割が再建の意欲低下…仮設住宅の女性「また被災するかも」
読売新聞 / 2024年5月7日 8時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください