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東京都463人 過去最多感染者数~強制力のある法律をつくる議論をするべき

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月1日 11時50分

東京都463人 過去最多感染者数~強制力のある法律をつくる議論をするべき

【第4回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議】会議にのぞむ小池百合子東京都知事=30日午後、東京都新宿区

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月31日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。小池都知事が新型コロナウイルスの感染防止対策として、東京都内の酒類の提供を行う飲食店とカラオケ店に、営業時間の短縮を再び要請することを表明したニュースについて解説した。

【第4回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議】会議にのぞむ小池百合子東京都知事=2020年7月30日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

東京都が飲食店とカラオケ店に営業時間の短縮を再び要請

国内では7月30日、新たに1305人の新型コロナウイルス感染者が確認され、1日あたりの過去最多を更新した(※31日に、1580人が確認され、さらに過去最多を更新)。また、東京都では367人の感染を確認し、こちらも過去最多を更新している(※31日に、463人が確認され、さらに過去最多を更新)。そんななか、東京都は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法第24条に基づき、都内で酒類を提供する飲食店とカラオケ店に対して、営業時間を午後10時までに短縮するよう要請した。会食を通じて感染者が急増しているのが理由で、期間は8月3日~31日まで。全面的に応じた中小事業者には協力金20万円を支払う方針である。

飯田)まずは30日夕方に行われた、小池都知事の臨時記者会見の模様をお聞きいただきます。

 

小池都知事)一刻の猶予も許されないということから、感染拡大特別警報をお伝えしている。今後状況がさらに悪化した場合には、東京都独自の緊急事態宣言を発することも考えざるを得ない。

 

飯田)さらに医療の現場からは、東京都医師会・尾﨑会長の会見の模様もお聞きいただきます。

 

尾﨑会長)東京だけの問題ではなくて、これは国できちんと対策を練る問題です。ぜひ、良識のある国会議員の皆さん。コロナウイルスに夏休みはありません。一刻も早く国会を開いて、国がどうやって感染症に立ち向かうか、そういう日本としての姿勢をぜひはっきりさせて、国民・都民を安心させてください。心からお願いします。

 

飯田)東京都医師会の尾﨑会長の会見では、法改正というところに言及しています。

宮家)この問題は専門ではないから、あまり無責任なことを言いたくないですし、にわか専門家のふりをするつもりもありません。しかし、いまのような話を聞いていると、現場から見て、日本がいままでつくって来たシステム、法体系、それに連なる組織がたくさんあるのでしょうが、それらは急には変えられないわけです。ですから、いい意味でも悪い意味でも、いまあるものを少し改正し、適用してやって行かざるを得ない。私だって行政をやったことのある人間だから、そこはよくわかります。しかし、おそらくいまの状況は、「いままであるシステムでは通用しなくなりつつあるかも知れない」ということです。それが尾﨑会長の先ほどの話になるわけです。

衆院本会議で、新型コロナ特措法に基づく2020年東京五輪延期についての質疑に答弁を行う安倍晋三首相=2020年4月2日午後、国会 写真提供:産経新聞社

強制力のある法律をつくる~野党を含めて国会で議論するべき

宮家)僕がすごいなと思うのは、「もっと強制力のある法律をつくってくれ」ともおっしゃっていること。それは正論だと思います。だから、それが正しいか正しくないか、それをやったときにどれだけの財政的な負担があるのか、もしくは経済に対する悪影響がどのくらいあるのか。そういうことを考えると、簡単に法律ができるとは思わないけれども、おっしゃる通り、「国会は議論しているのですか?」ということです。野党は批判はしています。しかし問題は、いま必要な法律の改正があるのだったら、それをするかどうかということです。これは本来、野党が考えなくてはいけないはずでしょう。批判するのだったら、国会でやる議論は「マスクを配るのは政府の約束なのか、そうではないのか」というような議論ではないはずだと思います。専門の知識を持っている人と、経済的な利益がある人の間に入って、政治判断をしなくてはいけない人たちの難しい立場はよくわかります。でも、それは野党も同じですよ。国会がもう少し目に見える形で動いて、改革すべきことは改革しなければいけないと思います。さもないと、アメリカのことを笑えなくなるのではないかと心配です。

飯田)お医者さんたちは前々から言っていましたが、この法律にはまったく強制力がなく、罰則規定もない。休業を要請するにしても、では財源をどうするのかというような話で、必ずつまずくとわかっているのに……。

新型コロナ対策キャンペーンで、東京・歌舞伎町の店舗訪問 吉住健一・新宿区長ら=2020年7月20日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

現在の法律の枠組みでは対策できない

宮家)やらなくてはいけないこともわかっているのに、その議論がまったく出て来ないではないですか。お医者さんが言うのは、いちばんよくわかっているからおっしゃるのかも知れませんが、法律をつくるのは国会の人たちがやることです。そういうところが少し心配ですね。いずれにせよ、この番組でも何度か申し上げていますが、ワクチンがなく特効薬もありませんから、規制を緩めたり締めたり、これを何度も繰り返して行くしかないのですけれど、いまもまだその状態になるわけです。しかし、同じ法律の枠組みのなかで緩めたり締めたりしていれば、だんだん効果がなくなって来るのではないでしょうか。皆さんもそうしたことに慣れて来ますから。やはり、いまの枠組みだけではいけないのではないか、ということになるかも知れません。悩ましいところですね。

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