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「やめたら損するのはあなたの方」韓国の“GSOMIA終了いつでも可能”発言に辛坊治郎が批判

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月5日 22時25分

「やめたら損するのはあなたの方」韓国の“GSOMIA終了いつでも可能”発言に辛坊治郎が批判

キャスターの辛坊治郎は8月5日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、韓国外交部が「GSOMIAの終了はいつでも可能」と発言したことについて、これまでの日韓関係を踏まえて批判した。

ソウルの韓国大統領府で新年の辞を発表する文在寅大統領(韓国・ソウル)2020年01月07日 EPA=時事 写真提供:時事通信社

GSOMIAは日本だけが得をするのではない

日本と韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、韓国外交部のキム・インチョル報道官は4日の定例会見で、「日程に囚われずにいつでも終了できる」との立場を示した。このGSOMIAは日本と韓国のどちらかが破棄を通告しない限り、1年ごとに自動的に延長される取り決めになっているが、破棄する場合は90日前に外交ルートを通じて通告しなければならず、毎年8月24日が期限となっている。

辛坊)結局何なんだ、という話です。このGSOMIAは日本だけが一方的に得をするという協定ではありませんから、基本的に同じ価値観を共有するアメリカ、日本、韓国という、東アジアの自由と民主主義を基調とする国々の協定です。

最近5日辺りから、北朝鮮が実はこの数年間のあいだに小型のミサイルに乗せられる大きさの小さな核弾頭を開発したのではないかというニュースが伝わってきました。そう意味では、自由と民主主義を基調とする我々の陣営は、そういった軍事的な脅威に対処しなければいけないということで、GSOMIAというのは、そういう機微な軍事情報を水面下で共有するための前提となる「情報をお互いにやりとりしたら、外に漏らさないようにしましょう」という約束であって、日本だけが得をするのではないことなので、韓国が「いつでもやめられる」と言っても、やめたら損するのはあなたの方でしょう、ということです。

2018年10月30日、ソウルの韓国最高裁で行われた判決後に会見する元徴用工の李春植さん(中央) 写真提供:時事通信

徴用工訴訟の“現金化”は国際条約違反

辛坊)韓国では、徴用工訴訟で、4日の段階で差し押さえている(日本製鉄の)資産の現金化が出来るという法的水準に達しました。今後、裁判所がいつ現金化の命令を出すまでには当分時間はかかりそうで、数か月と言われていますから早くて年内の話ですけれども、韓国がいわゆる徴用工訴訟をめぐって差し押さえている株式の現金化を認める命令を出すということになり、実際に現金化が行われるということになると、日本としてはそれは「国際条約違反だ」という話なので、何もしないわけにはいかなくなってしまう。

日本と韓国でいわゆる徴用工問題に関して言うと、そもそも、あまり大きな声では言いづらいですが、徴用工と言うのはいちばん初めの段階から「斡旋だ」とかお互い「働きたいです」というような状況だった人がたくさんいらっしゃるのですが、いちばん最後の1944年から1945年の大戦末期になって、その短い期間に、たしかに連行というか、無理やり連れてきて働かせるということがなかったとは言えません。これは歴史的に証明されています。ただし、今回訴えを起こしている人たちは、最後のタイミングで無理やり強制的に連れてこられた人たちではないですからね。その前の段階で来ていた人たちですから、そもそも「あなたたちは関係ない」という話ですが、そうとも言えないわけです。韓国の裁判所がその人たちの訴えを認めたということになるのだけれども。

会見に臨む菅義偉官房長官=2019年11月25日、首相官邸 写真提供:産経新聞社

完全かつ最終的な解決である日韓請求権協定

辛坊)日本は1965年に日本と韓国のあいだで国交を正常化するにあたって、大戦末期に強制連行でいらしていた方に賠償を日本政府として持ちかけたら、当時の韓国政府が「そういう個別の事案に関しては、もしそういう訴えがあった場合には、韓国政府が対処するので、一括して賠償金が欲しい」という話だった。そこで、日本政府は当時はっきり言って相当巨額の賠償金を韓国に支払って、1965年に日韓請求権協定を結び、これで完全かつ最終的な解決ということで、一括でお金を渡して、日本と韓国のあいだに外交関係が生まれ、その後、長年外交関係が継続してきています。日本と韓国との外交関係上は、絶対に認められないお金で、そういう請求が元徴用工の皆さんから出ているのであれば、これに関しては韓国政府が解決する責任があります。

しかし、韓国政府のいまの政権の立場としては、「三権分立で、我々政府は裁判所のすることには口出しできないからしょうがないです」ということです。三権分立なのはお宅の国のなかの内部事情であって、日本との関係については、最終的に政府が責任を持たなければいけないのが国際法の常識でしょう、という話です。韓国の裁判所がどんなに無法な判決を出そうが、日本政府としては「お宅の国内問題だから、日本と韓国との外交問題としては1965年に解決していますけれども、それでもしこのような無法なことをするのであれば、放置するわけにはいかない」ということです。

そこで何をするかというと、土曜日にテレビでやっている私の番組(よみうりテレビ/日本テレビ系『ウェークアップ!ぷらす』)に出演してくれた菅官房長官は、「とにかくいっぱい考えていますが、手の内を晒すわけには行きませんから」と言います。こっちもそういう答えが返ってくるのは承知で聞いているのだけれども、聞かないわけにはいかないから聞いているようなところがありますが。

軍事協定破棄、割れる賛否 16日、ソウル中心部で開かれた革新系団体の集会でGSOMIA破棄を求める参加者(共同)=2019年11月16日 写真提供:共同通信社

解決する気がまったくなさそうな文政権

辛坊)GSOMIAを日本から破棄することはあり得ないと思うのだけれども、韓国からすれば、日本が何をしてくるかと考えています。何かするに決まっていると思っているんです。「何をしてくるんだろう」と考えたときに、「何かしてきてもこっち(韓国)は対抗措置があるぞ」というのをとりあえず見せておかなければいけないというのがあり、「GSOMIAの終了はいつでも可能」と韓国の外交部が発言した、ということになっています。

それを言われたからと言って、日本側は「何を言っているんだ」ということに尽きるのだけれども、この問題は年末に重大局面を迎える可能性が、残念ながら刻一刻と迫ってきている感じはしますね。もう、韓国政府しか解決できませんから。だけど、それがいまの文政権だと解決する気がまったくなさそうだというところが大問題ではあります。

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