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「帰省はできれば控えていただきたい」~新型コロナ分科会・尾身会長が分科会開催前に会見した理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月6日 11時35分

「帰省はできれば控えていただきたい」~新型コロナ分科会・尾身会長が分科会開催前に会見した理由

参院国交委員会・閉会中審査で答弁する政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=30日午前、国会・参院第43委員会室

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月6日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。8月5日に行われた新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身会長の会見について解説した。

参院国交委員会・閉会中審査で答弁する政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=2020年7月30日午前、国会・参院第43委員会室 写真提供:産経新聞社

政府、帰省自粛要請せずも、注意慎重判断呼びかけ

尾身会長)帰省する場合には、高齢者などへの感染につながらないよう、国民の皆さまに注意を促していただければと思います。全国的に感染が徐々に拡がっていますよね。分科会としては、帰省はできれば控えていただきたいというのがメッセージであります。

 

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は8月5日、お盆休みの帰省について記者会見し、お盆の帰省のあり方に対する提言を政府に提出したことを明らかにした。

飯田)提言の内容を、会見のなかで発表したということです。

鈴木)分科会の開催前に専門家が発信するのは異例ですよね。これには布石があって、7月22日、尾身さんが同じように会見を分科会の後にしました。私たちが聞きたいのは、専門家の立場としてどうなのかということです。厳しいことも専門家だから言うでしょう。それを勘案した上で、政治が責任をもって方針を決める。これが専門家と政治の正しい関係ですよね。しかし、このときの尾身さんの会見は、専門家として第2波にどう対処するかということを言うべきなのに、「社会経済と感染防止の両立という大命題がある」と、政治家のような発言をしたのです。そのときに、すごく違和感を持ちました。

京都・ドライブスルー方式PCR検査デモ PCR検査に用いる綿棒状の検査器具=2020年4月27日午後、京都市中京区 写真提供:産経新聞社

専門家と政治の適切な位置関係~専門家はその立場で冷静な見方を示すべき

鈴木)専門家として言うべきことがあるのに、どうしても組織上、政治判断のようなことにも気を使って言っているのではないかと。そのような空気になってしまっているという違和感があり、少し警戒しました。実際その後、尾身さんは国会で、専門家としては「Go To も含め、まずいと思ってそのように言ったのだけれど」という話をしています。やはりそうだったのだと。だから今回のように、事前に専門家として意見を言うようになったのではないでしょうか。いろいろな反省や議論があって、その関係を正しく位置付けようということもあったのだと思います。私は今回のように、専門家は専門家の冷静な見方を示して欲しいと思います。先んじて会見をしたのはいいことだと思います。

飯田)専門家会議から衣替えしたのも、政治判断も含めて、政策がここで決まっているように見られるのはまずいと。政策は政治が決めるもので、専門家はあくまでもオブザーバーなのだということを明確にするためというのが、大義名分としてありましたよね。

政府専門家会議の在り方について記者会見する尾身茂副座長(手前、地域医療機能推進機構理事長)ら=2020年6月24日、東京都千代田区の日本記者クラブ 写真提供:時事通信社

分科会はもっと独立性を持つべき

鈴木)ありました。しかし実際、なかなかそうは行かないでしょう。

飯田)官僚がペーパーを用意して、というようなことも考えると。

鈴木)その辺りの意思決定には力学が働くでしょう。だから私は、分科会も組み込まれている感じがあるので、もっと独立してもいいと思います。東京都の先生たちは、相当激しいことを言っているではないですか。

飯田)「医療は逼迫(ひっぱく)しているのだ!」と。

鈴木)そうです。それで小池都知事が政治判断をする。それが正しければ都民は支持するし、間違っていれば批判するわけでしょう。これが正しい関係だと思います。

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