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バンクシーはなぜ「ネズミ」を描くのか? 戸田恵子が専門家に聞く、覆面アーティストの謎

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月6日 17時45分

バンクシーはなぜ「ネズミ」を描くのか? 戸田恵子が専門家に聞く、覆面アーティストの謎

8月2日(日)、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)が放送。ゲストに美術出版社の田尾圭一郎さんを迎え、謎に包まれたアーティスト「バンクシー」について語った。

世界各地のビルや壁など建物をキャンバスにして、作品を描き続けるバンクシー。彼の絵にはよくネズミが登場し、今年7月には、ロンドンの地下鉄車両にたくさんのネズミがマスクをつけた作品が公開され、落書きだと勘違いして消されてしまった――というニュースがあった。また2018年には、東京・港区にも傘を持ったネズミの絵が発見されて話題となった。

雑誌『美術手帖』に携わる田尾さんは、“バンクシーは自分自身をネズミに重ね合わせている”と説明する。

戸田:日本で見つかった作品もそうですが、ネズミを描くことが多いですよね。ご本人もネズミに関して、何か言っているんですか?

田尾さん:ネズミって、都市のいろんな汚い所とか、日陰をチョロチョロとすり抜けて生き抜いているところがあるんですが、それを自分になぞられてネズミをたくさん描いています。要は、マジョリティとか成功者とかではなく、「日陰で自分はたくましく生きていく」みたいなメッセージ性を込め、ネズミをよく描いています。

戸田:なるほど。バンクシーは世界各地で作品を残していると言われていますが、紛争が続くイスラエルでも活動をしていると。

田尾さん:そうですね。

戸田:いつ行ったのでしょうね!?

田尾さん:バンクシーは、「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」というイスラエルとパレスチナ自治区を分断する壁のすぐそばに、ホテルを建てました。「世界一眺めが悪いホテル」と言われているんですけど、そのホテルの部屋から分断の壁を見ることで、それがどういう意味なのか、問題なのかを考えるきっかけを提供しています。

戸田:バンクシーが、そのホテルも建てたんですか?

田尾さん:そうです、プロジェクトとして建てています。

戸田:ええー!

田尾さん:このホテルは実際に運営されているので、多くの観光客の方が泊まって、イスラエルとの分断の問題を考えています。

戸田:そして、新型コロナウイルスの感染拡大が日本以上に深刻なイギリスで、バンクシーは積極的に医療従事者へ応援を送っているということで……。もちろん、本人とは名乗らずに行っているのでしょうか?

田尾さん:そうです。

戸田:具体的にどんな事をしているのですか?

田尾さん:医療従事者を応援するような作品を制作し、それを発表したり寄贈することで、応援活動をしています。

戸田:それは喜ばれますよね。

田尾さん:そうですね。コロナのような“今起きている問題”を彼がビビッドに感じ、それを批評したり応援したりというのが、彼の魅力だと思います。

戸田:そうですよね。常に私たちに寄り添ってくれているというか、『こういうことを言ってほしいな』みたいなのを捉えて、作品にしている感じがしますよね。

この他にも番組では、バンクシーの身元や“ステンシル手法”で絵を描く理由、バンクシーがリスペクトしているアーティストについてなど、世界中の人を魅了する謎多きアーティストを語った。

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