消費税を5%に減税しなければ日本は衰退の道に陥る
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月7日 11時35分
![消費税を5%に減税しなければ日本は衰退の道に陥る](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_238505_0-small.jpg)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月7日放送)に元内閣官房参与で前駐スイス大使、現TMI総合法律事務所顧問の本田悦朗が出演。消費減税について、経済が戻るまで下げるべきだという持論を展開した。
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会見で記者団の質問に答える自民党・岸田文雄政調会長=2020年7月27日午後、東京・永田町の自民党本部 写真提供:産経新聞社
自民党の岸田政調会長~消費税は下げるべきではないと発言
自民党の岸田文雄政調会長は、消費税率について時事通信のインタビューに答え、「下げるべきではない。10%に引き上げるだけで、どれだけの年月と努力が求められたか。なおかつ消費税は社会保障の重要な財源となっている。社会保障の充実が言われているときに、この基幹税を軽減することはいかがなものだろうか」と述べた。
飯田)下げるべきではないと明言をしたそうですが、どう思われますか?
本田)ただ、岸田さんは別のところで、「世界中が大規模な財政出動をしている。日本も思い切って財政出動を行うことが大事だ」とおっしゃっているのですね。それは「消費税減税、絶対反対」と言うことと矛盾していませんか?
飯田)確かにそうですね。
本田)消費税に限らず、税金というのは、上げるときも下げるときも、経済状況に応じて弾力的にやるべきものです。上げるけれども絶対に下げない税金というのは、あり得ません。もしそういうものがあったとしたら、採用してはいけないのです。
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」
リーマンショック級を超えるショックを受けたいま、なぜ減税を拒否するのか
本田)軽減税率付きですけれども、昨年(2019年)の10月に、8%から10%に増税しました。その結果、昨年の10月~12月期はマイナス7%を超える、非常に激しい落ち込みを経験したのです。そして今年(2020年)の1月~3月も、コロナの影響が少し出ていますが、深いマイナス成長で、4月~6月になると底なしに近いGDPの下落が予想されています。おそらくマイナス20%台後半が予想されます。
飯田)それはリーマンショックのときより……。
本田)はるかに厳しいです。そして我が政府は、「リーマンショック級のショックがあれば増税をしない」と明言していたのです。いまはリーマンショック級をはるかに超えています。なぜ減税を拒否するのか、私にはわかりません。今回は時限的な減税ではありますけれども、思い切って減税するべき時期に入って来ていると思います。
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コンビニエンスストアに貼られた、キャッシュレス決済でのポイント還元を知らせるポスター=2019年10月1日未明、東京都品川区 写真提供:産経新聞社
社会保障は一般財源で補うべき~「消費税こそ我が命」ではダメ
外国でも、イギリスとドイツの例は有名ですが、世界20ヵ国くらいで一時的に減税を実施しています。この面でも日本は遅れています。特にイギリスは、日本で言うGo To キャンペーンのような宿泊、飲食、娯楽についての付加価値税、消費税に相当する税金を20%から5%にまで落としているのです。
飯田)15%減税ということですか。すごいですね。
本田)半年間ですけれどね。あの財政規律に厳しい、財政均衡主義のドイツでさえ、本則を19%から16%に落としているのです。そして軽減税率は7%から5%に落としています。ですから、いまの世界危機に対応するためには、弾力的にこういうものを考えなくてはいけないと思うのです。岸田政調会長は、社会保障財源は大事だとおっしゃいます。その通りです。しかし、社会保障はやはり一般財源で補うべきであって、「消費税こそ我が命」ではダメなのです。消費税は日本を代表する税金に育って来ましたから、一般財源化するべきであって、法律上は目的税化、社会保障のために使うとなっていますが、そもそも立て付けに問題がある。消費税については、もっと弾力的に使い道を考えるべきだと思います。
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【新型コロナ 帰宅ラッシュ】家路を急ぐ人たちなどで込み合う新宿駅周辺=2020年6月24日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社
一時的に消費減税をしなければ日本は衰退の道に陥る~原点に戻り5%に
本田)一時的に減税をしないと、日本は衰退の道に陥ってしまう可能性があって、やはり経済政策の究極の目的は経世済民です。「世を治め民を助ける」というのが最終目的ですので、厳しいときには一時減税をやるべきだという気がします。ですから、経済が安定して、国民の将来が明るくなるまでは5%に減税して、経済が安定したら直ちに10%に戻すということをやらないと、国民の理解を得られないのではないでしょうか。
飯田)一部には8%に戻すという人もいますが、8%では足りないですか?
本田)8%では足りないですね。というのは、軽減税率はすでに8%になっています。軽減税率以外のものを2%下げて、軽減税率となっている食料品は下げないということになりますので、どちらかというと高所得者に有利な減税になってしまいます。ですから、今回はアベノミクスの原点、アベノミクスが始まったときは5%ですので、原点に1度帰ってみる。そこから経済の状況に応じて、安定して来たら、失業率や物価上昇率、経済成長率などを見ながら元に戻して行くということが大事です。仮に半年など、時間を区切って元に戻してしまうと、半年後に増税があるのだろうと皆さん予想してしまうのですね。そうすると、せっかく消費税を減税しても、消費しなくなってしまう。
飯田)貯金に回ってしまうのですね。
本田)ですから、みんなが消費をしてくれたら、将来が必ず明るくなり、明るくなったら増税をしても耐えられるでしょうと。それまではできるだけ貯蓄は少なく、消費に回るという仕組みをつくる必要がありますね。
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