Go To トラベルよりも徹底したPCR検査の実施が急務
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月7日 17時30分
![Go To トラベルよりも徹底したPCR検査の実施が急務](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_238527_0-small.jpg)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月7日放送)に元内閣官房参与で前駐スイス大使、現TMI総合法律事務所顧問の本田悦朗が出演。観光支援事業「Go To トラベル」について解説した。
国土交通省がGo To トラベルに参加している宿泊施設の感染対策を調査
国土交通省は8月6日、観光支援事業「Go To トラベル」に参加している宿泊施設が、新型コロナウイルス感染対策を十分に講じているかどうかを調べる抽出調査を実施した。夏休みの旅行シーズンが本格化する前に、利用者や地域の不安を払拭するのが狙いである。対策が不十分な施設には指導し、応じない場合には事業登録の取り消しも検討する。なお調査結果は後日公開する。
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【新型コロナ】旅行代理店のGo To トラベルキャンペーンを知らせる張り紙=2020年7月20日、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社
感染予防と経済回復という矛盾することを実現するには、徹底したPCR検査の実施が必要
飯田)Go To トラベルについては、いろいろ批判も上がっていますが、どうご覧になっていますか?
本田)感染対策が守られているかを調査するということ自体は、いいことだと思います。しかし、それ以前の問題として、Go To トラベルについては、不十分な点が目立つという気がします。コロナ対策として、もちろんいちばん大事なのは重症者の治療なのですけれども、経済の面から見ると、感染予防と経済回復の2つをどう実現するかということですが、この2つは完全に矛盾するのです。人が動いたら経済はよくなります。しかし、感染は拡大します。この矛盾をどう解消するか、これがなかなか難しい。やり方としては、まず感染が収束するまではGo To トラベルは待ち、外にはなるべく行かないようにする、というやり方が1つあります。これは最初の緊急事態宣言のときにやったやり方です。もう1つは、動いてもいいけれども、その前提としてPCR検査などを徹底的にやるということです。感染者にはゆっくり休んでいただく。そして、基本的には陰性の方に世の中に出てもらって、経済を動かしてもらうということです。現段階で言えば、後者の方が現実的だろうという気がします。
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連休最終日を迎え多くの人でにぎわう羽田空港の国内線出発ロビー=2020年7月26日午後、東京都大田区 写真提供:産経新聞社
Go To トラベルよりもPCR検査を誰でも受けられる体制をつくることが急務
本田)しかし、それが十分に行われていないのですね。ですから、Go To トラベルを継続してやって行くためには、徹底した検査しかないということですが、どうも日本の検査数を見ると、外国に比べて1~2桁少ないのです。例えばドイツなどでは1日20万件やっているとか、アメリカでも50万件~100万件、北京では1日100万件やったなどと報道されています。それに比べると、日本は遥かに少ない。ですから、基本的にPCR検査、抗体検査はいつでも、どこでも、誰でも、何度でも無料でできるだけの体制を、一刻も早く構築していただきたい。そのための予算はGo To トラベルキャンペーンよりも、はるかにプライオリティが高い重要な予算だと思います。これをやらないで、一生懸命Go To トラベルのみをやると、日本全国各地にウイルスが蔓延する可能性があります。そうなると地方は医者が少なく、治療できる体制が十分ではないので、医療崩壊が起こります。その辺りが本当に心配ですね。
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京都・ドライブスルー方式PCR検査デモ PCR検査に用いる綿棒状の検査器具=2020年4月27日午後、京都市中京区 写真提供:産経新聞社
新型コロナを指定感染症から外すという案~軽症者専用のプレハブの施設をつくる
飯田)医療崩壊の面で言うと、いまは指定感染症だから、陽性の人は全員収容しなくてはならないため、意識的にPCR検査を抑えていたところがあった。一部には、指定感染症から外したらどうだと、そうすれば、もっと柔軟に治療ができるのではないかという指摘もありますが、どうでしょうか?
本田)いまは指定感染症の第2類ですか。確かに重症者、中等症者については入院しなくてはなりませんが、そうでない人も人数的には多いのですね。
飯田)若い人に。
本田)若い人は自覚症状のない人が多いです。病院のベッドは重症者が優先的に使っていただいて、場合によっては、中国で一時期ありましたが、自覚症状のない軽症陽性者専用の収容施設をつくると。プレハブでもいいと思います。エアコンをしっかりつけて、衛生管理も徹底すれば、プレハブでもいい。例えば代々木公園につくるとか、郊外につくるとか。あるいは当分やりませんので、オリンピックの施設に入っていただいて、ベッドを持ち込むということもあると思います。収容能力を増やすことが前提条件になると思います。
飯田)一部には、若い人たちはそれほど重症化しないということもあるから、年齢で区切って、例えば49歳までの方は外で経済活動をしてもらう。それ以外の人はリモートワークを活用するなど、いままでにない形ですけれど、現実的には難しいでしょうか?
本田)年齢で活動についてガイドラインを出すということは、あり得るとは思うのですが、問題は自覚していない人こそ人にうつしやすいということなのですね。自覚症状が出る直前がいちばん感染力が強いという、厄介なウイルスらしいので、自分がどうなるかということと、うつしてしまう可能性との両方を考えなくてはならず、非常に難しいです。特にお年寄りに感染した場合、お年寄りは致死率が高いので、その辺りをどう乗り切るかというところはありますね。
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