香港国家安全維持法は起訴後の保釈はなし。辛坊治郎が指摘する、今、香港で起きている事態の深刻性とは?
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月13日 19時11分
辛坊治郎が政治・経済・文化・社会・芸能まで、今日一日のニュースの中から独自の視点でズーム。ニュースの見方や本質が各所で話題を呼んでいるニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』。今日の番組では、香港国家安全維持法が起訴後の保釈がないことについて、事態の深刻性を指摘した。
香港で国家安全維持法に違反した疑いで逮捕され、12日に保釈された民主活動家の周庭氏は日本語で動画を配信し、「日本の皆さんも引き続き香港のことに注目して欲しい」と感謝の言葉を述べた。引き続き香港情勢に注目して欲しいと呼びかけた周庭氏に対して辛坊は、「普通は議会を通す前にどんな法律か分かるが、国家安全維持法に関してはできあがって施行されてからどんな法律かが分かった。周庭さんはいままでやってきた行為が違法行為にされる可能性もあるとして、かなり慎重に過ごしていたのに突然、逮捕。なおかつ、なんで逮捕されたかがわからない。防御のしようがないよね」と中国のやり方に憤りつつ、半ばあきれ顔。続けて、国家安全維持法が起訴後の保釈はないことに触れ、「最高刑は無期懲役なので、中国本土に移送されることも十分ありうる。下手をしたら一生口をつぐまされる可能性も出てくる」と事態の深刻性を指摘した。
そして、周庭氏と同じ日に逮捕され、保釈された香港メディア界の大物で民主活動家の黎智英に対しては、「香港で1割ぐらいの人が読んでいると言われている新聞社のオーナー。この人もいきなり逮捕された。実はこの人が本当のターゲットでないのかと言われている」と指摘。
「メディア王と言われているが、元々はアパレル業界で財を成した人。売却した利益をてこに、私財を投げ打って香港の自由と民主主義のために新聞社を作った。中国の息のかかっていない唯一の、そして、中国共産党に対しても辛辣なことも書くメディア。そこに企業が広告を出すとなると中国本土に目を付けられるから広告が全くつかないのだが、香港の人たちに受け入れられた。今回も逮捕と同時に一気に売れた。香港の皆さんの気持ちもそういうところからよくわかる」と解説。
「自分の出している新聞の論調を考えたらいつか逮捕されるんじゃないかということも織り込み済み。それでも逃げ出さずに新聞を発刊し続けた。でも、今回、その人を見せしめのために逮捕した。おそらく(中国は)起訴してくるでしょう。この法律によって起訴されると、保釈ができないからずっと収監される。なにせ、逮捕された罪状が分からないんだから、まともな裁判が行われて、まともな判決が出るとはとても思えない」と辛坊の怒りは収まらなかった。
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