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「日本野鳥の会」ってバードウォッチングするグループではないの?

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月17日 8時10分

「日本野鳥の会」ってバードウォッチングするグループではないの?

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に日本野鳥の会・レンジャーの嶋村早樹が出演。「日本野鳥の会」について、またレンジャーの活動内容について語った。

嶋村早樹

黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」、今週のゲストは日本野鳥の会でレンジャーとして活動されている、嶋村早樹さんです。

嶋村)よろしくお願いします。

黒木)日本野鳥の会というのは、私も含めてリスナーの方も1度は聞いたことのある名前だと思います。改めて嶋村さんから、どのような団体なのかご紹介していただけますか?

嶋村)日本野鳥の会と聞くと、バードウォッチングをしている趣味のグループと思われたりもします。もちろん、そうした方もいらっしゃいますが、実際の活動は、野鳥をシンボルとして生き物や自然環境を守る自然保護団体です。自然保護団体として、保護や生息地の保全、自然や生き物の大切さを伝える仕事をしています。

黒木)つまり、たくさんのことをやっていらっしゃるということですか?

嶋村)けっこうたくさんのことをしていますね。実際には、働いている職員は100人と少しで、全国にいろいろな現場があり、東京に事務所もあります。

黒木)嶋村さん自身はどちらにいらっしゃるのですか?

嶋村)いまは東京港野鳥公園という、羽田空港の近くにある公園でレンジャーとして活動しています。

黒木)レンジャーという言葉が出て来ました。レンジャーというのは、いまおっしゃったような仕事内容なのですか?

嶋村)レンジャーは、野鳥の会を全国に7ヵ所、公園や森などいろいろなところに現場を持っていて、そこで活動しているスタッフのことを言います。その場所の自然を維持したり、保全したりする活動と、野鳥だけでなく植物、魚など、その現場の調査をしています。あとは、来てくださる方にガイドや解説をして、生き物と保全について伝えることをしています。

黒木)レンジャーになるには、資格が必要なのでしょうか?

嶋村)資格は必要ありません。ごく普通に就職試験を受けます。私も面接を何度か受けてなりました。もちろん、大学や専門学校で専門的に勉強した人もいます。私は文系ですし、美大の方もいます。さまざまな経歴を持った方が働いています。

黒木)日本野鳥の会のレンジャーとしてのお役目に、やりがいを感じていらっしゃるということですね。

嶋村)そうですね。私はなりたくてなりました。

黒木)レンジャーは、人と自然の架け橋になる存在というようにも聞いております。活動内容がとても豊富なので、そうしたことを念頭に毎日を過ごされているのですか?

嶋村)いろいろな業務を分担して担当しています。調査をメインで担当しているスタッフや、草刈りをしたり、環境を保全する活動をメインにしているスタッフもいます。私は主に、人に自然や生き物の大切さを伝える環境教育というところを担当しています。

黒木)具体的に、どのようなことを日々行っているのですか?

嶋村)土・日で観察会があるときは、朝10時から12時まで、参加してくれる20人~30人の参加者に対して自然観察会を行い、バードウォッチングをするときもありますし、昆虫の観察会をするときもあります。また、海辺の公園なのでカニの観察会など、鳥を取り巻く自然というのを一緒に遊んで見て、体感していただくということを主にしています。自然に親しんで欲しいということをいちばんに思っているので、鳥を見てキレイだと思ったり、カニを見てびっくりするなど、いろいろな体験をしてもらい、自然に親しみを持ってもらう。そこから自然保護につながって行くような観察会になればよいなと考えています。

小冊子『ゼロからわかる バードウォッチングBOOK』(発行:日本野鳥の会)

嶋村早樹(しまむら・さき)/日本野鳥の会 レンジャー

【日本野鳥の会】
■野鳥の保護・調査研究、自然環境の保護を目的として創立された会員制の公益財団法人。
■1934年に創立。2011年に公益財団法人化された。
■会員数:約3万5000人/サポーター数:約1万6000人
■事業の大きな柱は2つ。
(1)野鳥や自然を守る事業
・野鳥保護区の拡大と維持管理
・IBA基準生息地の保全
・絶滅のおそれのあるツル類などの保護―― など
(2)野鳥や自然を大切に思う心を伝える事業
・サンクチュアリなどでの野鳥ファン拡大
・入門用冊子類の配布や広報
・ハンディ図鑑の販売
・ティーチャーズガイドの発行―― など

【レンジャーとは……】
■レンジャーは「人と自然の架け橋となる存在」。
■野生鳥獣の生息地の保全と、人と自然のふれあいの場という大きな役割を持つ自然保護のための場所(サンクチュアリ)での活動が主軸。
■サンクチュアリの自然を守るために、自然の調査や管理をしつつ、来訪者が自然と触れ合えるように自然体験の手助けを行っている。
■全国7ヵ所あるサンクチュアリに、1ヵ所につき2~10人のレンジャーが配置される。嶋村さんは東京港野鳥公園レンジャーとして活動。

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