無料冊子『おさんぽ鳥図鑑』を片手に近所の鳥を観察してみる
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月18日 8時10分
![無料冊子『おさんぽ鳥図鑑』を片手に近所の鳥を観察してみる](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_239734_0-small.jpg)
黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に日本野鳥の会・レンジャーの嶋村早樹が出演。「日本野鳥の会」が年に1回発行している冊子について語った。
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嶋村早樹
黒木)今週のゲストは日本野鳥の会でレンジャーとして活動されている、嶋村早樹さんです。野鳥の保護、研究、そして自然環境の保護と、さまざまな活動をしていらっしゃる日本野鳥の会ですが、実は他にもいろいろ行っていらっしゃるのですよね?
嶋村)はい。
黒木)その1つに、嶋村さんが持って来てくださったパンフレットがあります。『おさんぽ鳥図鑑』。
嶋村)野鳥の会では毎年、年に1冊、いろいろな冊子を無料で配布しています。身近な野鳥に目を向けてもらうための、ちょっとしたヒントになるようなものをつくり、配布しています。
黒木)街のなかや、家から見える外の景色のなかに、こうした鳥が一緒に生きているのですね。
嶋村)家の周辺に普段見ない鳥がいるだとか、スズメに似ているけれどもスズメではない、と思うことがあると思います。そうしたときに図鑑を開いても、600種類以上も載っていると、何が何だかわかりません。ですので、身近なところに暮らしている鳥に限定して冊子をつくりました。それを手にお散歩や通勤、通学、買い物途中などで見てもらえるような冊子です。
黒木)「春に渡って来るツバメの移動距離はどのくらいでしょう?」ということなどが書かれていますね。
嶋村)はい。ちょっとした豆知識があります。
黒木)「500Km、5000Km。どちらですか?」とあります。5000Kmですか?
嶋村)正解です。東南アジアの方からやって来るので、5000Kmくらいの旅をして日本に渡って来ます。3月から9月くらいまで見られます。
黒木)嶋村さんがいらっしゃる東京港野鳥公園、この場所には『おさんぽ鳥図鑑』に書かれている鳥が来るのですか?
嶋村)来ます。公園にはいろいろな環境があるので、年間120種類くらいは見ることができます。家の周りでも少し意識をするだけで、10種類以上は見られるのではないかと思います。
黒木)よく見るのはカラスですね。
嶋村)ハトもありますね。何か鳴き声が聞こえるなと思ったときに、この冊子はQRコードで読めるようになっているので、鳴き声が一覧で聞けます。
黒木)これはすごいなと思って見ていました。こうした『おさんぽ鳥図鑑』の他に、『ツバメのねぐらマップ』というものもありますね。
嶋村)ツバメは家やお店などで、巣をつくっているところをよく見かけると思います。しかし、子育てが終わった後、ねぐらをつくっているということはほとんど知られていません。だいたい6月から8月までがよい機会だと思います。
黒木)まさにいまですね。
嶋村)はい。まさにいま、ねぐらができています。河川敷の葭原だとか、高速道路のサービスエリアなどにもあったりします。3万羽ものツバメが集まって来て、夕焼け空に3万羽~5万羽のツバメが舞う姿がすごくきれいです。
黒木)この写真ですね? こうしたパンフレットは、どこでいただけるのですか?
嶋村)野鳥の会のホームページからも申し込めますし、faxで申し込むこともできます。野鳥の会『ツバメのねぐらマップ』だとか、『おさんぽ鳥図鑑』で検索していただくと、ページが出て来ます。
黒木)ツバメのねぐらを観察しようというイベントも行っているのですか?
嶋村)やっています。一応、このマップを見ればご自身でも行けるようになっているのですが、なかなか自分ではハードルが高いという場合は、観察会を全国で行っています。ぜひ、そうしたところから参加して欲しいなと思います。
黒木)たくさんいるのですね。
嶋村)東京でも多摩川の河口や、上流の方でも行っています。
黒木)「バードショップ」というのは何ですか?
嶋村)五反田にある直営店です。バードウォッチングに役立つグッズや、鳥がモチーフのグッズ、環境に配慮してつくられた食品を扱っていたりします。「Wild Bird」というインターネットショップもあります。
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小冊子『おさんぽ鳥図鑑』(発行:日本野鳥の会)
嶋村早樹(しまむら・さき)/日本野鳥の会 レンジャー
【日本野鳥の会】
■野鳥の保護・調査研究、自然環境の保護を目的として創立された会員制の公益財団法人。
■1934年に創立。2011年に公益財団法人化された。
■会員数:約3万5000人/サポーター数:約1万6000人
■事業の大きな柱は2つ。
(1)野鳥や自然を守る事業
・野鳥保護区の拡大と維持管理
・IBA基準生息地の保全
・絶滅のおそれのあるツル類などの保護―― など
(2)野鳥や自然を大切に思う心を伝える事業
・サンクチュアリなどでの野鳥ファン拡大
・入門用冊子類の配布や広報
・ハンディ図鑑の販売
・ティーチャーズガイドの発行―― など
【レンジャーとは……】
■レンジャーは「人と自然の架け橋となる存在」。
■野生鳥獣の生息地の保全と、人と自然のふれあいの場という大きな役割を持つ自然保護のための場所(サンクチュアリ)での活動が主軸。
■サンクチュアリの自然を守るために、自然の調査や管理をしつつ、来訪者が自然と触れ合えるように自然体験の手助けを行っている。
■全国7ヵ所あるサンクチュアリに、1ヵ所につき2~10人のレンジャーが配置される。嶋村さんは東京港野鳥公園レンジャーとして活動。
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