1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

コロナ禍での徹底した密の回避に、加藤諦三が警鐘「子供の心が成長する機会を失う」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月18日 21時30分

コロナ禍での徹底した密の回避に、加藤諦三が警鐘「子供の心が成長する機会を失う」

作家・社会心理学者で早稲田大学名誉教授の加藤諦三が、8月17日(月)放送のニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」内のコーナー「ゲストとハッピー!」に生出演。コロナ禍での子供たちの教育について語った。

ニッポン放送「テレフォン人生相談」では40年以上パーソナリティを務める加藤。新型コロナウイルスの感染拡大防止で、「密集、密接、密閉」の「3密」を防ぐ事が叫ばれているが、加藤は「密」を避け徹底的に人と関わらない事で、「心」が成長する機会を失っているのではないかと警鐘を鳴らした。

加藤諦三:今は、コロナを収めるという事と、経済の回復と2つのバランスの話ばかりなんですよね。ですが、一番重要な心の崩壊という事については、ほとんど言われていないんです。子供が成長するには「密」が絶対に必要なわけです。

垣花正:人と、人が関わるという事ですね。

加藤:子供は親とじゃれあって成長するわけです。我々だって、集まりがあった日の最後は「さようなら」「また会う日まで」って言って皆で肩を組むんです。それによって心理的成長をするんですけど、その機会がなくなっちゃった。むしろそれが悪い事になってしまったんです。

垣花:まさに今の状況で「人と触れ合う事」は悪い事という風潮になってしまっていますね。

加藤:これはヘーゲルが歴史哲学のなかで言ってるんですけど、「正しい事と間違っている事が出た時は問題ない。歴史上難しいのは、正しい事と正しい事が衝突する事だ」。今がまさにそうで、「距離を取る事」は正しい事なんですが、「人と人が触れ合う事」も正しい事。つまり正しい事と正しい事が矛盾しているわけです。これを何とかしないといけないのに、「心の成長にとってコロナは問題だ」という議論すら出てこない。

垣花:具体的にどんな問題が起きるのでしょうか?

加藤:例えば、少年が人を殺して「何で人を殺してはいけないんですか?」と発言して、社会がびっくりする。ところが「なぜ人を殺してはいけないのか?」という説明ができないわけですよ。

垣花:もちろん法律で決まっているからダメだとは言えるんですが、根本的に「なぜ?ダメなのか?」という話ですよね。

加藤:今の世の中では、「なんで?」という説明をできない事を考えた瞬間に、社会の一員じゃなくなる。社会が成立するためには、「自明の事」つまり「説明不能の事」は「説明不要の事」だというんです。ところが、説明不要なのに平気で犯罪をしてしまうわけです。自明の事というのは、人と人がじゃれあうというような、人と人が接触することで出てくるんです。

垣花:人と触れ合うことで、お互いの考えることを共通認識とするわけですね。

加藤:そうすると今の小さい子供たちが20年、30年経って世の中の中核になった時に、とんでもない感覚の人がいっぱい出てくる。要するに共同体が共同体である条件とは何かというと、みんなが「なぜ?」と聞かないけれど「そうだ」と思っているという事。そこが崩れちゃうと社会の根源が揺らいじゃう。今、コロナ禍で教室でも人と距離を取っていますよね。ああいう事が20年経った時にとんでもない影響が出てくる。本当に日本は国難の時期だなと思っています。

戦後、最大の国難といわれている新型コロナウイルスによる問題。各所で「ウイルス感染」や「経済」についての対策が議論されているが、加藤は「心の成長」についても議論しなければ、将来日本の社会に多大な影響を与えると危惧した。パーソナリティの垣花正は、「絶対に起きて欲しくないですが」と前置きし、「10年後、20年後にその感覚で成長した子供たちが凶悪犯罪を起こす事を予見するような話ですね。」と感想を述べると、加藤は「共通感覚を持たない人たちがたくさん生まれてしまったら、どうしようもなくなってしまう。」と「密」を避ける事で起きる弊害について、警鐘を鳴らした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください