コロナ禍における「セーブ・ザ・チルドレン」の世界での活動
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月25日 8時10分
黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」の太田しのぶが出演。新型コロナウイルス禍でのセーブ・ザ・チルドレンの活動について語った。
黒木)今週のゲストは「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」の太田しのぶさんです。世界における新型コロナの子どもたちへの影響について、お話を伺いたいのですが。
太田)今回の感染症は世界的に流行しています。私たちセーブ・ザ・チルドレンは、「新型コロナウイルス感染症 緊急子ども支援」として、87ヵ国で子ども支援活動を行っています。教育支援、家計の支援から手洗いの方法をお伝えする活動まで、多角的な支援活動をしています。
黒木)子どもたちの逼迫(ひっぱく)した状況というのは、どのような感じですか?
太田)紛争下の国に暮らしている子どもたちもいますし、1日1.9ドル以下、絶対的貧困と言われるところで暮らしている子どもたちもいます。もともと脆弱な状況にある子どもたちが、今回の感染症でさらに厳しい状況に置かれてしまっています。
黒木)どこから手をつけたらいいのですか?
太田)その国の状況に応じて、必要なことを他の団体や国の行政の人たちと相談しながらやっているのですが、医療従事者の方たちに防護服の支援をしている国もありますし、いろいろな支援をしています。
黒木)ロックダウンということもあって、送った食料品や医療品が届かないこともあるわけですよね?
太田)国境を封鎖している国もあります。そういう国だと、人道支援物資が届きにくいです。また新型コロナの影響で、輸入などの経済が滞ってしまった国もあります。ものが入って来ないので物価が高くなってしまい、普段は買えていた主食になるようなものすら買えない、あるいは買うのを控えるという国もありました。
黒木)いま、いちばん太田さんが気になっている地域は、どの辺りですか?
太田)アフリカ諸国です。これから感染症の拡大も心配されますし、感染症のさまざまな影響によって、中・長期的に見たとき、大きな影響を子どもたちに、あるいは国全体に及ぼすのではないかと考えています。
黒木)セーブ・ザ・チルドレンのような支援組織は、世界にいくつもあるものなのですか?
太田)セーブ・ザ・チルドレン一団体だけではなく、世界中にはさまざまな支援団体があります。私どもは子ども支援ですが、なかには医療支援専門の団体もありますし、もっとテーマを絞って活動している団体もあります。例えば、子ども虐待に絞って活動していらっしゃるところもありますし、あるいは人権というものにフォーカスしている団体もあります。
黒木)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、緊急人道支援という、栄養、教育、子どもの保護、防災、子どもの貧困などを取り扱っていらっしゃるのですが、まだまだ支援が必要な状態が続くということですね。
太田しのぶ(おおた・しのぶ)/セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン広報
<セーブ・ザ・チルドレン>
■子どもの支援活動を行う、民間・非営利の国際組織。
■1919年、イギリス人女性のエグランタイン・ジェブによって創設。彼女は第一次世界大戦で荒廃したヨーロッパで、敵・味方の枠を超えて、栄養不良に苦しむ敵国の子どもたちの支援に取り組んだ女性。
■その活動のなかで、子どもの権利に関する世界初の公式文書とされる「ジュネーブ子どもの権利宣言」を起草。その理念は、現在196の国と地域が締結している国連「子どもの権利条約」へとつながり、世界に広がっている。
■現在、日本を含む29ヵ国の独立したメンバーが連携し、約120ヵ国で子ども支援活動を展開している。
<セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン>
■1986年、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン設立。
■国内外で行政や地域社会と連携し、子どもたちとともに活動を行っている。
■海外では保健・栄養・教育などの分野で活動し、自然災害や紛争における緊急・人道支援を実施。また国内では、子どもの貧困問題解決や子ども虐待の予防などに向けた事業の他、東日本大震災や熊本地震における緊急・復興支援を通して、子どもの権利を実現する活動を行っている。
<「読み聞かせプロジェクト」セーブ・ウィズ・ストーリーズSNSキャンペーン>
■新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るうなか、国内外でさまざまな支援を行っている「セーブ・ザ・チルドレン」。
■その活動の一環として、外出自粛の影響で外に出ることのできない子どもたちのために、そして子ども支援活動への寄付を呼び掛けることを目的に、著名人による「読み聞かせプロジェクト」、セーブ・ウィズ・ストーリーズSNSキャンペーンを実施。
■セーブ・ザ・チルドレンUSAから始まり、日本でも5月20日からスタート。
■74人の著名人が参加。6月30日まで展開。動画公開は12月末までを予定。
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