最初の数十秒で決まってしまうサイバー戦と宇宙戦~安倍総理、米宇宙軍幹部と会談
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月29日 11時45分
![最初の数十秒で決まってしまうサイバー戦と宇宙戦~安倍総理、米宇宙軍幹部と会談](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_241932_0-small.jpg)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月28日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。安倍総理とアメリカ宇宙軍・レイモンド作戦部長が会談したニュースについて解説した。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2020/08/10000000000000070185_20200828133235000376_P200828000003-2.jpg)
安倍晋三首相との会談に臨むジョン・レイモンド米宇宙軍作戦部長(左)=2020年8月27日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社
安倍総理がアメリカ宇宙軍のレイモンド作戦部長と会談
安倍総理大臣は8月27日、来日中のアメリカ宇宙軍の制服組トップ・レイモンド作戦部長と官邸で会談した。アメリカは2019年12月に「宇宙軍」を、日本は2020年5月に航空自衛隊の「宇宙作戦隊」をそれぞれ発足させていて、宇宙軍幹部の来日は初めてのこととなる。アメリカが2024年、宇宙飛行士の月面着陸を目指す「アルテミス計画」に日本が参加を表明しており、この計画での連携強化や、日本人宇宙飛行士の活動機会の確保についても、改めて確認したということだ。
「宇宙軍」とはコマンドなのか、フォースなのか
宮家)少し専門的な話なので、間違っているかも知れませんが、私の理解では「宇宙軍」と言ったときに、二つの概念があるので誤解が生じるのですよ。今回、宇宙軍をつくったということですが、それはコマンドなのか、フォースなのかということです。宇宙コマンドというものは、いままでにも確かあったのですよ。しかし今回、何を新しくしたかと言うと、例えば、陸軍、海軍、空軍があるでしょう。その軍の組織の方のスペース・フォースをつくったというのが私の理解です。フォースというのは、あくまでも部隊を準備、訓練して、戦闘につけるようにあらかじめ整備しておく組織。コマンドというのは、それらの部隊を使って実際に戦うところです。その意味では、宇宙軍の制服組トップと言いますけれども、おそらくこの作戦部長はコマンドの人なのだと思うのですよね。
宇宙は日米で協力する余地が大きい分野
宮家)それはさておき、宇宙を平和利用するということが昔は言われましたが、中国があれだけ軍事利用をやっているし、ロシアもやっているし、実際には宇宙まで戦場が広がっているというのが実態です。されば、ここで綺麗ごとを言っていても仕方がないので、少なくとも日本も、憲法の枠内でできることはやらなくてはいけないと思うのです。その意味で今回、たまたまでしょうけれども、作戦部長がやって来て総理とお会いになった。それはいいことだと思います。ただ、日本の宇宙作戦隊は少し規模が小さいです。アメリカの宇宙軍も、まだ大きなものではないけれど、これから大きくなって行くのだと思います。宇宙軍をつくるときも、本当に必要なのかという議論がアメリカにはあったのですよ。しかし、それをトランプさんは強引にやってしまいました。それはそれでいいのですが、ともかく日本と協力する余地が大きい分野だと思います。
飯田)やはり、日本の技術などを求める部分があるのですか?
宮家)日本の技術もそうだと思いますし、日本にもJAXAがあるので、既に協力はしていると思います。技術的にはアメリカがずっと進んでいると思いますが、宇宙分野でそういう協力ができる国は世界でも限られていますから。おそらくアジアの国で、それができる国は日本の他にないでしょう。ヨーロッパだって、全ヨーロッパで一緒になってやっているわけです。しかも、中国とロシアに協力するわけにはいきませんから、アメリカにとって日本は極めて重要だろうと思います。実際に宇宙飛行士がいて、ロケットできちんと衛星を打ち上げられるわけですからね。しかも安定し、安いコストでできます。そういう意味で、日本との関係はアメリカにとっても、極めて重要だと思います。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2020/08/jpp032340348RS.jpg)
陸上自衛隊と米陸軍が実施したサイバー競技会で、問題に取り組む陸自隊員ら=2019年8月22日、防衛省 写真提供:時事通信社
もし戦争が起こるとしたら、最初にサイバー戦と宇宙戦が始まる
飯田)スターウォーズのように、衛星同士が戦うようなことは起こるのですか?
宮家)起こるでしょう。これから戦争が始まるということは考えたくないですが、やるとしたら、最初はサイバー戦と宇宙戦ですよね。サイバー戦でインターネットのシステムを壊すか無力化して、同時に衛星を全部破壊して、GPSも止める。おそらく中国はこれをやって来ますよ。アメリカの軍用GPSを止めないと、アメリカ軍にやりたい放題やられてしまいますから。そうならないように、最初の段階でサイバー戦と宇宙戦が始まります。実際に地上や海上で撃ち合うのはそのあとです。最初の数十秒で決まります。
飯田)数十秒で決まる。守る設備の方は……。
宮家)大変ですよ。だから、こちらも攻撃できるようにして、相手を抑止するのが基本ですよね。すべてを守るのは難しいと思います。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「次は自分の番だと分かっていた」現場にいた元兵士が聞いた、ジョーンズタウン集団自殺の真実
Rolling Stone Japan / 2024年7月5日 6時45分
-
史上初「月の裏側」からサンプル回収…中国の他国に先駆けた宇宙開発技術と激化する月探査競争【サンデーモーニング】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月30日 13時53分
-
ロシアの人工衛星が軌道上で分解、多数の宇宙ごみ発生
ロイター / 2024年6月28日 11時8分
-
ispace-U.S. 、スウェーデン宇宙公社と協力協定を締結2026年打ち上げ予定のミッション3において月面探査の通信用地上局を提供
PR TIMES / 2024年6月25日 12時15分
-
史上最多? 驚異の「10人乗り巨大戦闘機」 が全然使えなかったワケ “武装に全振り”した結果
乗りものニュース / 2024年6月14日 18時12分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)